韓国の足踏み洗い2007/08/18

 10年ほど前、砧について資料収集した際に、ある在日韓国人二世から「うちのお母さんはあの川で毎日足で踏んで洗濯してた」という話を聞きました。その時は、朝鮮では叩き洗いであって、このような足踏み洗いは極めて特殊な事例だろうと勝手に解釈していました。

 ところが最近の韓国ドラマ(『ラストダンスは私と一緒に』)のなかに、西洋風民宿(ペンション)の娘が足踏み洗いをしている場面が出てきて、ビックリしました。この女性は24歳という設定で、このようなうら若き女性が足元をまくっての足踏み洗いです。

 朝鮮では叩き洗い以外に、足踏み洗いがかなり行なわれていたと考えるべきなのでしょう。しかし、その資料が見当たりません。韓国の民俗体系にも報告されていないのです。

 誰かこれについての資料・情報をご存知ならば、是非お知らせください。

 ちなみに日本では、絵巻物や洛中洛外図等の絵画資料より、16世紀初めまでは足踏み洗いで、それ以降の戦国~江戸時代に手揉み洗いへと変化したことが明らかになっています。そして更に明治になって洗濯板による手揉み洗いへと変化して、戦後の洗濯機の普及まで続きます。

 足踏み洗いは、日本のごく一部(岡山の奥津など)で今なおその風習が残っています。

 この古風な洗濯方法が最近の韓国ドラマに出てくるとは‥!!興味深いものです。