朝日の〈おことわり〉の間違い ― 2007/09/29
朝日新聞に次のような<おことわり>がありました。(インターネット版2007年3月31日付け)
〈おことわり〉文中にある「南鮮版」の「鮮」という呼称は、「朝鮮」の意味で、植民地時代に日本人が蔑称(べっしょう)として使った。「京城」は現在のソウルで、植民地時代に日本が使った呼称。いずれも不適切な言葉ですが、歴史的な名称として使いました。
これは拙論で繰り返し論じてきましたように、間違いです。
朝鮮の略称として「鮮」は蔑称ではありません。姜在彦『朝鮮儒教の二千年』(朝日新聞社 2000)の200~201頁では、高麗末朝鮮初期(1392年前後)の時代を「麗末鮮初」と明記しています。 つまり朝日新聞自身が最近発行した本のなかに、「朝鮮」の呼称として「鮮」が使われています。従ってこれを「植民地時代に日本人が使った蔑称」とするのは間違いです。
また「京城」は古来より朝鮮でも首都名称として公私ともに多く使われてきた名称です。「植民地時代に日本が使った」ことは不適切の理由にはなりません。
http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/dainijuuyondai http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/dairokujuunidai http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/dainanajuukyuudai