砧という道具 ― 2008/01/05
> 砧は一打一打の面積は狭いのでアイロンみたいに頻繁に行うことは無理ではないでしょうか。>
日本では秋に行なうものとされていますが、朝鮮では季節関係なしに行なわれており、頻繁だったようです。 日本の着物の洗濯後の仕上げは洗い張り(伸子張りや板張り)が主で、砧を打つことは明治になって廃れました。洗い張りは3~40年前までは、よく見られたものでした。
>実際に縫製したままの着物を綾巻きに巻きつけたり、台の上で畳んだまま叩いている図はあるのでしょうか。>
日本でも朝鮮でも、糸を解いて反物状にしてから砧を打ちます。着物のまま巻いたり畳んだりしている絵画や写真資料は両国ともにありません。
>ただ道具の使い方を推定する割りに考え方が大雑把に思えたので。>
拙論は「砧」についての誤解・間違いを指摘することに重点を置いてきました。使い方について詳しくは論じておりません。その点で「大雑把」と感じられたと思います。
なお糸を解くことについては、拙論の『第90題 朝鮮の砧』における「二種類の砧の使い分け」の一節のなかで触れております。 http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daikyuujuudai