「朝鮮植民地支配はなかった」発言2008/06/29

 下関市の教育長が、朝鮮学校の補助金増額陳情に対し、「植民地支配は歴史事実でない」と発言したことが話題になっています。

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20080628-OYS1T00273.htm http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20080628ddlk35040535000c.html http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008062700104&genre=C4&area=Z10 http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000806280002

 報道によれば、教育長の発言は、次の通りです。

「植民地ではなく、日朝併合だったという認識を持っている。助成要望の場で、過去の話を持ち出すこと自体筋違い」

「助成金の話で(学園側が)歴史経緯を持ち出すのは筋違いで、それを否定する中で発言した。私の歴史認識とは別の話だ」「日朝併合と植民地支配は異なる」

「植民地支配という部分は歴史的事実に反するので受け入れられない」

「いまの話で植民地支配と言うことに部分については歴史的事実に反しますので、それは私の方からそういう形では受け入れられない。植民地支配だということを前提に、そういう日朝併合の部分をいかにいうかは自由です。それを植民地支配だったと事実関係を変えて語ったんでは全然、事実関係は進まない。そこの部分は日朝交渉でちゃんとやっていただければいい話。そこの部分がどうだったか、皆さん方の教育に対してどのような影響があるのかは議員連盟の方でちゃんと話をしてほしい。」

「併合は植民地だという意識はない。(併合は)対等だ」

「私は26日の(助成の)要望において相手から筋違いのお話が突然出されたため、その話に立ち入ることを否定する発言を行った旨を説明したものです。私は当然のことながら下関市の教育行政を行うにあたり、政府の見解を尊重するものです。」

 以上ですが、これは「そもそも植民地とは何か?」というところで、見解の相違があるようです。

 教育長の見解は、日本の朝鮮統治は植民地支配という一方的収奪ではない、という意味のようです。  朝鮮総督府の日本人官吏たちは、わが朝鮮では欧米がアジア・アフリカ等で行なったような植民地支配をしていない、という考えで行政を担っていました。教育長はこの見解を継承しているようです。

 一方、これに批判的な人たちは、日本の朝鮮統治を、植民地=一方的収奪という意味でとらえているようです。

 そのような見解の相違よりも、過去の歴史を持ち出してお金を要求する姿勢が果たしていかがなものか、という考えを持ちます。  教育長の「助成要望の場で、過去の話を持ち出すこと自体筋違い」という発言は、その通りと思います。