韓国・朝鮮の民族の歴史は新しい2010/11/20

 韓国の歴史を読んでみて、大きな違和感を持つ一つが、民族の歴史を神話も含めて5000年も遡らせていることです。

 朝鮮半島に住む人々が、あなたも私もすべて同じ民族だと感じるようになったのは、せいぜい遡っても7世紀の新羅統一からでしょう。

 それ以前の高句麗・百済・新羅はそれぞれ建国過程(建国神話も含めて)が違っており、また言葉も違っていますので、お互いが同じ民族だという意識はなかったでしょう。

 さらに遡って、馬韓・弁韓・辰韓の時代、楽浪郡が置かれた時代、古朝鮮の時代‥‥。朝鮮半島にいた人々が同族意識を持っていたとは、およそ考えることができません。

 ところで韓国における民族の歴史ですが、次のような一文を読んで、韓国でもまともというか、冷静な方がおられることを知り、やはり韓国でも5000年の民族の歴史に違和感を持つ人はいるんだなあ、と思いました。

>現在の韓国人が考える民族に対する感覚は、それほど以前からあったわけではない。いわゆる三国時代、高句麗・百済・新羅は互いに敵対国であり、彼らに同じルーツを主張し一つに統合するという概念があるはずがなかった。>  金栄勲『韓国人の作法』(集英社新書 26頁)

 韓国でも、民族あるいは民族の歴史について、冷静に議論し合える環境になっていればいいのですが‥‥。どうなんでしょうかねえ。