『北朝鮮の真実』2011/10/10

重村智計の近著『北朝鮮の真実』(日本文芸社)を購読。

 内容的には目新しいことはありませんが、北朝鮮についてかなり分かりやすく解説しています。 このなかに、疑問な点がいくつかあります。

 「金正日総書記に影武者がいる」(30頁) 重村氏はかなり以前から影武者説を唱えておられます。その根拠の一つとして、北朝鮮を訪問した日本人がこの影武者に会ったことを証言したから、ということです。しかも3年をおいて、二人の日本人が会ったことになっています。

 もし影武者がいたとすれば、北朝鮮の国家秘密に属するでしょう。そんな人物を、短期訪問の日本人にわざわざ見せることがあり得るのか?という疑問です。

 あるいはまた、小泉首相の第2回訪朝時(2004)の金正日の声と、拉致された韓国の映画監督と女優が1986年に脱北した際に持ち出した金正日の声を比較して別人だという結果が出て、これも影武者説の根拠の一つとしています。

 20年近い時間が過ぎた声が、同一人物かどうか判定できるものなのか、という疑問です。