全国行脚する活動家たち―韓国2011/10/15

 日本の左翼系活動家諸君が反権力という一点のみで、闘いを求めて全国行脚していた時代があったことを、書いたことがあります。 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/09/05/5330599

 これと同じようなことが、今の韓国の活動諸君でも行なわれているようです。韓国の新聞『朝鮮日報』の記事を訳してみました。(2011年10月10日付け)

>済州島、釜山、そしてソウルに来たデモ隊   済州島カンジョン村のデモ隊の中心勢力が、釜山韓進重工業デモに参加、「この勢いで韓米FTA阻止」を! 150余名がバスに乗ってソウルへ

 釜山の韓進重工業における非正規職解雇反対闘争を支援して‘5次希望バス’という名前で、釜山でデモを行なったバス デモ隊のうちの一部が、9日午前までデモを行なった後すぐにソウルに移動して、午後には‘韓米自由貿易協定(FTA)阻止決議大会’に合流した。彼らは済州島のカンジョン村の海軍基地建設反対デモにも参加した。韓進重工業の非正規職解雇反対、海軍基地建設反対、韓米FTA等々、すべて違う課題でもって、済州・釜山・ソウルなど全国を舞台にデモを続けている。

 韓進重工業のバス デモ隊はこの日午前10時30分頃解散した。彼らはこのバス デモを予定より3時間ほど早くデモを終えた理由は、この日午後にソウルで予定された‘韓米FTA決議大会’集会に参加するためであった。デモ隊は「この勢いで、韓米FTAも阻止しよう!’とスローガンを叫んでデモを終えて、150余名がバスに乗りソウルに向かった。

 彼らはこの日午後4時40分頃ソウルに到着し中区の徳寿宮前で‘韓米FTA阻止 汎国民運動本部に合流した。200余名に過ぎなかった集会は、参加者数がいきなり膨れ上がった。

 民主労総、平和と統一を開く人達、進歩連帯などの旗がはためいた。彼らは「韓米FTAを阻止しよう!」「李明博政府を打倒しよう!」などのスローガンを叫んだ。民主労総は希望バス デモを主導する中心団体であり、平和と統一を開く人達は海軍基地建設と関連して済州島のカンジョン村で行なうデモ隊の中心勢力である。彼らは300余の団体が名前を連ねる韓米FTA阻止汎国民運動本部にも参加している。

 警察関係者は「ソウルの韓米FTA反対運動、釜山の希望バス デモ、済州島のカンジョン村闘争は、場所と素材は違うが、人員を動員してデモを企画する中心団体はほとんど違いがないものと把握している」と語った。この関係者はまた、「彼らは‘希望バス’‘平和飛行機’などの名前をつけて反政府デモを‘祭り’として全国を遊覧するようにデモを行なっている」と語った。>

  以上のような記事でした。彼らはこれまで、米国産牛肉反対闘争や龍山立ち退き反対闘争、大学授業料半額実現闘争等々にも顔を出してきたようです。まさに「民主主義者は忙しい」ですねえ。

 闘いを求めて、そのためには問題の中身は考えることなく、全国の集会やデモに参加する―そんな活動家諸君の姿は、日本の70年代と現在の韓国とで共通するように見えます。とすると、韓国の活動家諸君の将来の姿も、日本と同様の歩みをしていくだろうと予想するのですが、どうなんでしょうねえ。