『現代韓国を学ぶ』(3)2012/06/08

 「第10章 世界に暮らすコリアン」(論者は李裕淑)のなかに、ビックリするような統計数字が出てきます。

現在特別永住者が五二万人、帰化者総数が二〇数万人、親が日本人と結婚したことで日本国籍を持っている人が二〇数万人いると推計される。〉(318~319頁)

 この数字にはビックリ。特別永住者は四〇万人ぐらいのはずなのですが、「五二万人」という余りにも違う数字が出てきたからです。ちょっと調べてみたら、やはり「五二万人」は間違いです。

 出版元の有斐閣は、さすがに訂正を出していました。

http://yuhikaku-nibu.txt-nifty.com/blog/2012/05/post-aab1.html

〉【訂正3】 第10章 318ページ 後ろから1,2行目        誤:「現在特別永住者が52万人,帰化者総数が20数万人,親が日本人と結婚したことで日本国籍を持っている人が20数万人」        正:「現在特別永住者が40万人弱,コリア系日本人(帰化者および親が日本人と結婚したことで日本国籍を持っている人)は33万人」

 それでは訂正されたこの数字は、正しいのかどうか?  在日韓国居留民団のHPにある「在日の統計」を見てみます。

http://www.mindan.org/shokai/toukei.html

 これによると特別永住者は395,234人ですから、「40万人弱」は正しい数字です。

 問題なのはコリア系日本人の「33万人」という数字です。これは「帰化者および親が日本人と結婚したことで日本国籍を持っている人」を合わせた数字ということになっています。  ところが民団の統計数字では、帰化者数は合計で327,550人ですから、「親が日本人と結婚したことで日本国籍を持っている人」は、33万人-32万7550人=2,450人ということになります。

 民団の統計では、在日の婚姻数は毎年9000件前後、うち同胞同士の婚姻は10%もありません。他のほとんどは日本人との婚姻です。とすれば、日本人との間にできる子供は、毎年数千人になるだろうし、これまでのものを合計すれば十万人をはるかに超える数字になるだろうと容易に推測できます。間違いとされた当初の「20数万人」が、正しい数字なのではないかという気がします。

 そうであるのにこの本の訂正版では、「親が日本人と結婚したことで日本国籍を持っている人」が2千数百人という、到底信じることの出来ない数字となっているのです。

 「第10章 世界に暮らすコリアン」(論者は李裕淑)という論考。最初の数字の間違いもそうだし、訂正後の数字の疑問点もそうですが、専門研究者の論考としてはちょっとお粗末だなあ、という感想を抱きました。