通名を本名と自称する在日2012/07/04

 在日の本名問題をややこしくするのが、法律上の正式の名前を本名とするのではなく、通名を本名と自称する在日がいることです。

 例えば、民団新聞に次のようなことを語る在日がいます。

光本允さん(摂津市立鳥飼小学校)は在日3世。 日本人の母親の籍に入っているが、「本名は金です」と自己紹介した。 「3年前、祖父の住んでいた故郷の役場を訪ね、そこにも私のつながりがあることがわかりました。今はつながっていることがうれしい」と話した。

http://www.mindan.org/shinbun/news_view.php?page=13&category=2&newsid=16110

 この人は日本人の母親の籍に入っていますから、立派な日本国籍人です。そして文章の脈絡から、韓国の国籍は有していない、つまり二重国籍ではなく、日本の単一国籍でしょう。

 この方が「本名は金です」と、法律上には存在しない名前、つまり通名の方を本名と考えているということです。

 このように戸籍名ではなく、通名の朝鮮名を本名としている方は、在日の活動家では意外に多いものです。自ら朝鮮名を名乗り、在日の青年・子供たちに本名を名乗れと迫った活動家が、実は日本国籍で、朝鮮名は通名であるという話はよくあることでした。

 これは自分のアイデンティティを表す名前だけが本名なのであって、法律なんか関係ない、という考えです。朝鮮民族主義的観点からすると当然なことなのかも知れません。しかし公的証明ができない主観的名前を本名と称するのは、やはり違和感が大きいものです。

 本名を呼び名乗る運動は1970年代から盛んになりましたが、その時の本名とは一体何だったんだろうか? 今でも疑問に思っています。