砧の新資料(2) ― 2012/12/10
これは、月岡芳年の「夕霧 きぬたの月」という絵画。時期は明治23年(1890)です。綾巻に布地を巻いて打つⅠ型の砧です。
拙論では、日本では砧を打つ風習は明治時代に廃れたと論じたのですが、明治中期にこのような絵画が描かれていたのです。つまり、明治になっても砧がまだ残っていたことになります。
今のところ、日本におけるⅠ型砧の最新資料ということになります。このⅠ型砧が、現在の日本では実物が全く残っていません。博物館や民俗資料館等にも出てきません。 残念なことです。