砧の新資料(6)2012/12/16

 これはアフリカのマリという国での砧打ちの風景。  ある旅行者のブログに掲載されていたものです。 http://sahelnet.org/mt/2006/2007/04/post-274.html

 このマリの砧は、洗濯後の砧打ちではなく、布地の染色後の砧打ちです。

 洗濯後の砧打ちなら、洗濯作業の延長ですから普通は女性がやるものですのですが、ここでは「染めた布に色が馴染み艶が出るように」とありますから、布地生産の仕上げ工程での砧打ちです。この場合は男性がする場合が出てきます。日本では宮古上布の例があります。

 このブログでの解説で気になったところは、「日本でも、かつてはそうして布を打ち和らげていた。」という部分です。辞書等ではそういう解説をするのが多いですが、間違いです。皺をとり艶を出すのが砧の目的であり、和らげるのが目的ではありません。もし布地を打って和らげるとしたら、その布地は擦り切れてしまうでしょう。

 ところで道具ですが、台が太い丸太です。また叩く横槌は、叩打部が人の頭ほどの大きさがあります。