日本名を本名とする在日朝鮮人2012/12/18

 在日韓国・朝鮮人は、本名は民族名、通名は日本名を名乗るものだ、と考える人が多いようです。しかし在日の中には、日本名が本名として登録されている場合があります。

 1959年の資料ですが、当時の韓国・朝鮮人外国人登録607,553名のうち、金本や新井などの日本風の名前を本名として登録されているのは22,789名と約4%の割合でした。つまり在日25人のうち1人が、日本風の名前を本名としています。

 このような在日が出現した最大の理由は、1940年に施行された創氏改名です。この創氏改名令は、韓国や北朝鮮では当初より遡って無効とされたのですが、日本に居住する在日は無効とされませんでした。在日が設定創氏した日本風の名前は、不動産登記や預金名義等にそのまま使い続けることができたのです。そして終戦2年後の1947年に施行された外国人登録令でも、この日本風の名前で本名登録することができました。

 日本名を本名とする在日の方の運転免許証を実際に見たことがあります。氏名欄には「大山昌次」(仮名)とあり、本籍欄には「韓国」とありました。最初は通名で免許証が作れるのかとビックリしたのですが、そうではなく、本名が「大山昌次」なのでした。

 朝鮮学校に通ったことのある人に、このような在日が朝鮮学校に入学したら名前はどうなるのかと聞いてみたら、校長先生が朝鮮風の民族名をつけてくれて、それを通名とするということでした。つまり本名「大山昌次」という在日は、「崔昌寿」(仮名)さんという通名を使って生活することになります。

 また別に言えば、犯罪者報道で韓国籍の「大山昌次」が出たとしても、これが本名である可能性があります。本名を隠している訳ではないことになります。

 こうなると本名・通名問題は、国籍や民族を必ずしも表すものではないということが分かります。少なくとも「通名禁止」を主張する考え方では想定されていない例が実際にあるということです。

 「通名禁止」を主張する人は、おそらく「特殊例外」として思考停止にするでしょうが‥。