在特会の行方2013/06/29

 在日の特別在留資格や生活保護、通名について、「特権」だと主張する人がいます。当ブログでも、この考え方をする人がかなり投稿してきたものです。

 これが誤りであることは繰り返し説明してきました。しかし彼らはインターネットの情報をちょっと聞きかじっただけで、在日が特権を有していると信じ込み、浅薄な知識を振りかざして、その廃止を訴えます。

 こういう姿は、かつての極左過激派諸君の姿とダブって見えます。彼らはアジビラとしか言いようのない機関紙を読み、その中身を反芻していきます。そして自分たちこそが正義であり、相手が悪だと思い込むことになりますから、使命感が発生します。 しかし周囲からの理解を得られるものではありません。こうなると、これは自分たちの努力が足りないからとばかりにその行動が過激化していきました。過激な行動をして注目されることによって自分たちの思想をアピールし、社会を覚醒するんだという考えに陥るのです。

 いま在特会を名乗る集団が在日に対して「死ね」「ゴキブリ」などのヘイトスピーチを繰り返しているのは、彼らには自分たちの考えが正しく、悪いのは相手方(在日)と信じ込んでいるからと思われます。

 これはかつての過激派諸君と同様に、自分たちの過激な言動が注目を集めることによって正義の主張を広め、何も知らない人々を覚醒するという考えに陥っているようです。一旦こういう思考回路に嵌ってしまうと、下品極まる表現にも躊躇いがなくなり、罪を犯しても確信犯となって同志間では英雄扱いされることになります。

 このような集団を応援する人も多いです。本ブログでは、在特会のやり方には賛成しないと言いながらも彼らの意見を擁護するような投稿がかなりあります。これもかつての極左過激派を擁護した評論家たちの文とそっくりです。評論家らは、彼らの過激な行動を肯定するつもりはないがこの矛盾した社会を憂うる余りのことなのだから、彼らの意見を聞いていてみる必要があるなどと言っていましたねえ。中国の毛沢東語録にある「過ちを正すには行き過ぎも必要である」という文言を引いて、過激な暴力行為を正当化する評論家もいました。

 これらの評論家たちと、本ブログで在特会を「そのやり方を肯定しないが、考え方に賛成する」式に投稿する人とは同質です。「擁護するつもりはないが‥」などは単なる枕言葉にしか過ぎず、結局は応援団なのです。

 かつての過激派には味方する評論家が多かったものでしたが、在特会にも同様に応援する人が多いようです。 在特会は極左過激派と同様に、こういった応援者を追い風に犯罪集団化していくことでしょう。

【拙稿参照】

過激な言動は犯罪を生む   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/03/23/6755958

アクセス数の急減     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/04/04/6768285

在日の特別永住制度     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/06/14/6864389

在日の生活保護     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/06/16/6867746

在日の密航者の法的地位      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/06/23/6874269