韓国の盗撮事件(2) ― 2013/07/09
韓国では盗撮事件は珍しいとばかり思っていたのですが、そうではなく結構多いことが分かりました。わが不明を恥じるのみです。
http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/07/02/6884663
ところで、この記事中のなかで気になる点が一つあります。
警察は去る18日、性暴力犯罪処罰法違反容疑でA教授を検察に送致した。
つまり、盗撮は韓国では「性暴力犯罪処罰法違反」になるということです。この法律は主に、日本でいうところの「強制わいせつ罪」を扱う法律なのですが、盗撮もこの法律が適用されるとあって、ちょっとビックリ。日本では盗撮は迷惑条例違反で、刑法の強制わいせつ罪には該当しません。
そこで韓国の法律辞典で調べてみました。これによると盗撮は次に当たるようです。 (直訳ですが、意味は分かるでしょう。)
② 電話・郵便・コンピューター等の通信手段を利用した淫乱行為と、バス・地下鉄・劇場等、公衆密集場所での醜行(訳注-痴漢など)を処罰できるようにして、これを親告罪とすること(第13条、第14条、第15条)
盗撮は「バス・地下鉄・劇場等、公衆密集場所での醜行」に当たるようです。盗撮が「性暴力犯罪処罰法違反」に当たるとなると、韓国の犯罪統計における「強姦(性暴行を含む)」の件数は、刑法の強姦罪とこの「性暴力犯罪処罰法」の適用を受けた事件数ですから、盗撮もこれに入ることになります。
一方日本では、盗撮は「条例違反」であって刑法ではありませんので、刑法の犯罪統計には表れないことになります。
拙論ではこれまで、強姦罪と強制わいせつ罪の合わせた数字で日本と韓国とを比較してきました。
韓国の性犯罪 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/08/31/6560292
韓国における強姦と強制わいせつ件数 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/03/17/6748307
『韓国経済が崩壊するこれだけの理由』 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/03/09/6741409
韓国では「性暴力犯罪」(強制わいせつ罪)に盗撮事件が入っているとしたら、そうでない日本とは犯罪統計数字の意味が違ってきますので、比較をしてはいけないこととなります。韓国の「性犯罪は日本の5倍」という数字は、かなり怪しいものだということです。
こういう類の犯罪統計を国別に比較することは非常に難しいことを、改めて学びました。