『韓国はどれほど日本が嫌いか』 (2)2013/08/04

 韓国は日本を外して中国と協調する外交を進めることを決めました。このことについて、武貞さんは次のように解説しています。

2013年6月27日、朴槿恵大統領は国賓として中国を訪問、習近平国家主席と首脳会談を行なって、「韓中未来ビジョン共同声明」を発表した。韓国大統領政府は、国交21年が過ぎて、今後の20年を見すえた内容と説明する。       この会談で、中国との経済関係の発展が自国の経済にとって死活的である韓国は、中国への傾斜をいっそう鮮明にした。米韓同盟を維持しつつも中国との軍事交流に踏み出し、中韓共同で「歴史認識を変えない日本を外すこと」を確認するものとなった。‥‥‥防衛分野での日韓交流が停止状態のなかで、中韓が(軍事)交流拡大することで一致したことは特筆すべきことだろう。(161頁)

 韓国のこのような外交がうまくいくのかどうかは分かりません。しかしこの外交姿勢は、大統領任期中の5年間は続くと見なければなりません。武貞さんは次のように分析しています。

韓国には「中国と一緒になって日本の過ちを糺しながら、領土問題への対処、首脳会談、軍事協力協定締結、輸出入増大を図る。中国との関係を最優先にしてゆくかぎり、韓国にとって怖いものはない」という自信があるのである。そう考えれば、韓国の政府高官の発言、一連の対中外交、長崎、広島の原爆に関する韓国の全国紙のコラム、日増しに高まる対日批判のトーンなど、全体として整合性がある‥‥‥   この韓国の壮大な構想は、日本経済が沈みつづけ、いまから10年後に「失われた40年を経験した日本」という評価が確定し、世界の三流国に日本が落ち込んだとき、日本の国際的役割が低下し日米関係が悪化してゆく場合のみ、正しかったということになる。(203~205頁)

 これは成程そうだろうと思いました。韓国も中国も、もはや日本は無視してもよい存在だということを露骨に見せ始めたということです。

 日韓・日中の友好は、今後当分は望めなくなりました。としたら、これまでの「友好」は一体何だったのだろうか?と思います。

 朴大統領は、日本との加害被害関係は千年続くと言いましたから、日本側がただひたすら土下座を千年以上し続けて、やっと友好関係になるということになるのでしょうねえ。日本内にはそれを本気に考えている人がかなりいますから、笑い事ではありません。

コメント

_ R ― 2013/08/04 09:23

韓国のこの戦略、上手くいくんですかね?
国際的地位云々、経済力の問題は既に今の韓国の問題でもあります。東南アジアの諸国だけでも経済力・国際的影響力は伸びてきており、既に韓国も追われる立場です。通貨防衛力は低く、内需は薄く、資本・技術の蓄積も乏しい韓国が一旦守勢に回れば・・・自らの力・将来を過信しすぎでしょう。中国は現実的な国で、日本・韓国の向こうに常に米国を意識していると思いますが果たして力の落ちた、そして対中国接近でおそらく米国からの信用をかなりの程度喪失するであろう韓国を逆にどこまで優遇するんでしょうかね?韓国内にもそれを危惧する識者の声があるらしいですが、韓国が自ら制御不能なまでに高めた無意味な日本対抗思考によりかき消されているような印象を受けます。単に外交の場における韓国カードを一方的に放棄しているだけじゃないかなぁ。


>日本内にはそれを本気に考えている人がかなりいますから、笑い事ではありません。

でも以前と比べてかなり少なくなったんじゃないですか?
以前の韓国でしたら日本国内世論に頼るため、日本の「りべらる?」勢力の思惑通りに演じる謙虚?さがありましたが、今の韓国は既にそういう段階を通り越し、日本の「りべらる?」勢力も戸惑うような振る舞いになってきているという印象(これまた「印象」ですみませんが)を持っています。韓国の「自信」のなせる技でしょうが。

_ 辻本 ― 2013/08/04 11:06

>韓国のこの戦略、上手くいくんですかね?

 さあ、どうなりますかな? 中国は北朝鮮との友好関係を大事にしますから、韓国と北朝鮮を天秤にかけて、両国をうまく操ることでしょうねえ。しかし韓国は中国が北朝鮮をこちらの思う通りに制御してくれると思い込んでいるようです。

>でも以前と比べてかなり少なくなったんじゃないですか?

 甘く見てはいけません。彼らは草の根としてすっかり根付いています。枯れてはいません。いつかは繁茂する時期が来るかもしれません。

_ 日本国公民 ― 2013/08/09 02:23

韓国の中国協調策は、極めて意味深いものだ。日韓条約の政治的前提が無くなったからだ。すなわち、共産主義に対抗するためという目的がなくなった。日本は条約締結以前の敵対関係に戻る。東北アジアの冷戦の敵側に韓国はついたのだ。東北アジアの安全保障は見直されなければならないかもしれない。すなわち、韓国抜きの日米と東南アジアの安全保障体制の構築だ。最近、アメリカ上院で、アジアにおけるアメリカの防衛地域を確認する内容の議決が行われた。それは、アリューシャン列島、日本、台湾、フィリッピンと、驚いた事にアチソン声明とほぼ同じなのだ。アメリカも韓国をあてにしていないのだろうか?おそらく、武貞氏はわかっているのだろう。日韓は修復不可能な所まで来ている事を。なお、本論から外れるが、在日朝鮮人問題について。この事だけは、継続的に宣伝する必要がある。彼らが日本にいる責任は、日本政府にない。彼らの責任であり、彼らと彼らの政府が解決すべき問題だと。いわゆる強制連行説や植民地支配や戦争に起因するなどの、虚偽、詭弁の類いは、反論すべきであろう。事実を列挙すればいい。そして、強制連行説等の詭弁を放った、日本人・朝鮮人論者の実名とプロフィールを明記すべきであろう。おそらく韓国は、日本に対して悪質な宣伝を仕掛けて来る。芽になる様なデマには、反論すべきだし、有田芳生みたいに国会議員でありながら、在日に関して虚偽の話を成すの者は、国会で問責決議などをするべきだろう。彼らを敵とすべし。これが、今回の中韓協調劇の教訓かもしれない。

_ 辻本 ― 2013/08/10 04:19

〉反論すべきであろう。‥‥事実を列挙すればいい。‥‥実名とプロフィールを明記すべきであろう。‥‥反論すべきだし、

 これらは個人の力で出来ることです。こんなブログに匿名で投稿するのではなく、ご自身でそのようなご活動をされることを期待します。

_ 日本国公民 ― 2013/09/25 02:07

 もう、国家が乗り出すしか無い。従軍慰安婦に関して、韓国が宣伝してるでしょう。カウンタープロパガンダには、国家の力が必要。それが、趣旨です。個人の力だけでは、どうにもならないのではないですか? これは、もう、国家対国家の宣伝戦争でないですか?     個人が立ち上がる価値までは否定しませんが。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック