『韓国はどれほど日本が嫌いか』 (7)2013/08/12

北朝鮮は朴槿恵候補が当選すると、朴槿恵政権への期待を高めた。そして、韓国への軍事的圧力を高めた。‥‥対話を期待して、軍事圧力を強めるのだろうか、という疑問が当然出てくる。北朝鮮の脅威に直面すれば、韓国は対話をする気持ちがなくなるではないか、と。    そうではない。北朝鮮の脅威を韓国社会が感じるとき、韓国社会は南北対話に期待するようになってきた。この傾向は過去三年間目立ってきている。‥‥2011年10月、韓国現代経済研究院は世論調査を実施し、‥‥‥この調査結果は、北朝鮮が韓国に対して軍事力行使すると、韓国では「だから北とは対話をしておくべきだった」という世論が多数を占めるという結果をもたらすことを示している。北朝鮮から見ると、韓国世論を北朝鮮との対話支持に変えるために、限定的軍事行使も有効だということになる。朝鮮半島の南北朝鮮の関係は、このように、われわれのもつ「常識」とはほど遠いのである。(192~193頁)

 北朝鮮が韓国に軍事行動を実際に仕掛けても、韓国内では「だからこそ北と対話しよう」という反応になります。いくら殴られても「話せば分かってくれる」というのが、今の韓国が北に見せる態度なのです。

北朝鮮の論理は、核実験やミサイル実験と米朝関係改善、中朝同盟維持、南北対話再開は、同じコインの裏表の関係にある。強力な抑止力を完成して米朝関係を正常化し、朝鮮半島の問題は南北間の交渉にまかせてもらい、「南半分の解放」を完結したい。これが北朝鮮の大戦略なのである。(193頁)

 北のこの「大戦略」が成功するのかどうか分かりません。しかし肝心の韓国が、お隣の北朝鮮が自分たちを解放(=併呑)しようとする意思を変えていないにも拘わらず、能天気に構えているのが現状だろうと思います。この能天気は、自分たち韓国は世界に影響を及ぼすほどの大国になった、それに比べ北は極貧国に留まっている、だから北の「大戦略」はあり得ない、という「自信感」から出てくるのでしょう。

 お隣さんが自分の家を乗っ取るつもりで着実に事を進めているのに、自分の家では対策を練るどころか、お隣さんともっと話し合いしましょう、と言っているのと同じです。

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