『韓国が漢字を復活できない理由』 (6) ― 2013/09/25
1990年代になると、またぞろ漢字復活の機運が熟してきた。漢字国から来た外国人観光客に便宜をはかるためとして、道路標識や看板などでは、漢字表記が併用されるようになった。当時は、中国本土からの観光客はなく、ここでいう漢字国は、つまり日本なのだが、そう明記すると、反発を買うことになるから、あえて特定しなかったのである。(60頁)
具体的な資料が提示できませんが、私の記憶ではその当時は日本だけでなく台湾や香港の人をも対象にしていたと思います。当時韓国が進めた漢字表記は、日本の漢字ではなく韓国の旧来からの漢字で、台湾・香港で使われていた繁体字とほぼ同じものでした。例えば「学」は「學」と表記されていました。従って日本人観光客だけを目あてに漢字表記したというのではなく、やはり台湾や香港を含めた漢字使用国からの観光客のためのものと見た方がいいものです。
「ここでいう漢字国は、つまり日本なのだが、そう明記すると、反発を買うことになるから、あえて特定しなかった」というのは、豊田さんの憶測と見ていいでしょう。