日本人のウソ2013/10/05

 日本社会でもウソは多いですが、そのなかでも昔も今も一番よくあり、しかも悪質なウソは税金・経理関係ではないかと思います。

 売り上げの誤魔化し、偽の領収書、架空のアルバイト雇用、カラ出張なんかは古典的な脱税・裏金捻出手法ですが、少額で目立たなければまず見つかることはありません。多額の脱税・裏金になると裏帳簿を作成したりします。  労務提供会社の人から、例えば毎日5人派遣する契約して、実際は4人派遣して差額をバックするなんて当たり前のようにやっていると聞いたことがあります。  私の経験では、百貨店で一旦商品券を買ってからその商品券で実際の商品を買い、それぞれから領収書を発行してもらうという手口を教えてもらったことがあります。ニセでない正規の領収書が信用力一番の百貨店から二枚も入手できるのです。こんな手口、今でも通用しているのですかねえ。  筆の先からお金を生み出すことを覚えれば庶務として一人前、なんていう諺(?)もありました。

 会社のウソばかりではありません。電車・バスで交通費を申請しながら実際は車や自転車で通う労働者もいます。  出張でも規定された手順の通りにするのではなく安売りチケット屋で切符を買ったり知人宅に泊まったりしてお金を浮かします。  また営業が接待費を誤魔化して差額をポケットに入れたりします。こういったウソには罪悪感が麻痺するようです。発覚した時に出て来る言葉が「みんなやっているのに、何故私だけが?!」です。

 税務関係の人から話を聞くと、日本人が正直だなんてとても言えるものではないことが分かります。 せっせとニセ書類を作成しての脱税・裏金捻出は日常茶飯事と言っても過言ではないほどです。 ただし余程のことでないと実際に摘発される例が少ないし、摘発されても運が悪かったという感じで、悪事を働いたという自覚はないということでした。

 かつて官公庁の裏金問題が発覚した時、民間で叩けば埃の出ないところはないが、役所も同じことをしてるのか!と嘆いた人がいました。  またある会社では税務査察を受けて以来、法律絶対順守の指示が出て、そこの庶務担当の方が「これであのイヤなこと(不正書類の作成や財務監査でウソをつくこと)をしなくて良くなったのでホッとした」としみじみ言っておられたのを記憶しています。

 日本人にも「息を吐くようにウソを言い」は、納税・経理というところでは十分に通用するのではないかと思います。

 ゆめゆめ他民族をウソつき呼ばわりしてはいけません。