韓国の老人孤独死 ― 2013/10/09
韓国でも老人の孤独死が問題になってきました。私の記憶では、日本では1990年代の阪神大震災の際に仮設住宅等で孤独死する老人が相次ぎ、この問題が大きく取り上げられたものでした。この時韓国のある人が、老人の孤独死は家族を大切にしない日本そして福祉先進国と言いながらの余りにひどい日本社会を物語っていると言っておられたのを記憶しています。
確かに韓国社会は家族の絆が強く、また敬老精神も日本より上回ります。だから韓国では、我が国では老人の孤独死なんておよそあり得るはずがない、それが福祉先進国の日本で起きるなんて、何と酷い国であることか、と思われていたのです。
それから20年経ち、韓国でも老人の孤独死のニュースが少しずつ出てきました。先月に韓国で報道された下記のKBSニュースは、孤独死して5年間も気付かなかったというもので、さすがの韓国もショックだったようで、話題になりました。韓国もこれから高齢化社会に入りますので、一人暮らしの老人が多くなっていきます。
韓国は日本より20年遅れて、同じ問題で悩むということになるようです。
釜山で60代の女性が亡くなり5年経ってようやく発見されました。 5年の間、どの誰もこの老人の死亡を知ることができませんでした。 福祉も受けられず、一人暮らす老人たちがこのような孤独死の危機にさらされています。まずは黄ヒョンギュ記者です。 <レポート> 昨日の午前、多世帯住宅に賃借りで暮らしていた67歳の金某おばあさんが、白骨の状態で亡くなったまま発見されました。 分厚い服を重ね着しており、手には手袋をしたままでした。 警察はこれまでの5年間金さんを見なかったという近所の人の陳述から推定して、一人暮らしをしていた金さんが寒さに震えながら亡くなったものと推定しています。 亡くなった金さんの家の周辺は住宅密集地域で、ともに暮らす近所の人もいましたが、死亡したということが全く分かりませんでした。 親戚の往来がなかった金さんが他の用事で長期間家を空けていただけだと、近所の人たちは思っていました。 <録取>近所の人:「誰も知らなかったですよ。誰も見たことがないんですよ。同じ路地で暮らしている私も知らないし、他の人はさらに知らないですよ。」 区役所もやはり金さんの生死が分かりませんでした。 生活保護者などを本人が申請しておらず、自治体の管理対象から抜け落ちていたためです。 <インタービュー>金ソンギ(サンシ チョウプ洞住民センター):「生活保護者、老齢年金などの対象者でないために、私どもが事前に管理する方法はありません。」 警察は金さんの葬儀をしようという親族がいないので、解剖した後、自治体に引き渡す予定です。
コメント
_ zop ― 2013/12/06 10:41
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韓国では老人貧困層が多く現在でも大問題になっています。
家計負債が500兆ウォンを超えていて、中流家庭が少なく、上流と下流が大半です。
またGDPでは日本の1/5程度ですが、貿易額は日本に匹敵する程です。
従って、これからの韓国は青年失業率の増加と老人貧困の両極端の問題を解決しなければならないでしょう。