韓国の多文化家族の子供たち2013/10/12

 韓国でも国際結婚がかなり増えています。一番多いのは中国やベトナム等の女性が韓国人男性と結婚して、韓国で家庭を営むものです。このような国際結婚家庭は韓国では「多文化家族」「多文化家庭」と呼ばれています。

 韓国は日本以上に単一民族意識の強い国ですから、こういった家庭はかなり苦労しているのだろうなあ、特に子供たちにしわ寄せがいっているのではないか、などと思うのですが、「多文化家族たちが韓国社会に定着するのに言語/文化などの差による韓国社会適応と家族間の葛藤により様々な問題を抱えている多文化家族」といった抽象的な文章が目につく程度で、その具体像はなかなか表面には表れないようです。

 『朝鮮日報』2013年9月26日付けの紙面に、多文化家庭の子供たちを垣間見る記事がありました。多文化家庭の家族写真の撮影ボランティアをしている方の記事です。

多文化家庭に‘希望’を撮ってあげるおじいさん      「全国に多文化家庭で生まれた子女の数は、もう20万人の水準です。 その子供たちが成年となって社会に出て来る前に、私たちがちゃんと教育してあげなければなりません。」  韓ヨンウィ(66)インクロバー財団理事長は、中国、日本、ベトナム、フィリピンなど外国人女性たちが韓国人と結婚して家庭を営む多文化家庭の子供たちに「写真を撮ってくれるおじいさん」で知られている。‥‥    今まで1,440家族の写真を撮ってプレゼントした。  ‥「多文化夫婦では結婚式写真も家族写真もない場合が大半です。だから皆さん精一杯着飾って来て、喜んでくれます。」  ‥韓理事長が見せてくれた写真には、お母さんの国の伝統の服装を着た子どもたちもおり、韓服を着飾った子供たちもいた。  ‥「皮膚の色も違い、外見も違うが、みんな韓国人ですよ。大きくなって韓国社会の構成員になるんですよ。‥‥    高校に通う年齢の多文化家庭の子どもたちの60%以上が中途で脱落します。その子どもたちが結局何をするのでしょうか?学校も行かず、外見も違い、韓国語も下手な子供たち‥‥    多文化カップルの30%が離婚する現実のなかで、こういった子どもたちのための寄宿舎を備えた学校が切実に必要です」

 国際結婚で生まれた子どもの数が20万人、両親の離婚率3割、子どもの高校中退率6割以上という数字が出てきました。

 韓国人男性が国内で結婚相手を見つけられず、海外に相手を探し出す現象が出てきてから20年ほどが経ちます。妻となった人のほとんどは韓国語ができませんので、家庭内のコミュニケーションは難しいものです。そのせいでしょうか、表沙汰になった家庭内暴力事件が時折ニュースで出てきます。しかしそれでも子どもは生まれます。その子どもたちが韓国社会に適応できず、高校中退者のまま成人になっていく場合が多くなっているということです。

 日本では日系南米人家庭、中国残留孤児家庭などの子どもたちが日本社会に適応できずに問題行動を起こすことが報道されたことがありました。

 こういう子どもたちの問題は、日本にしろ韓国にしろ心痛むものです。