漢字を廃止した韓国で「知的荒廃」?-呉善花(10)2014/02/08

 韓国で漢字が廃止されて数十年が経っています。漢字語はすべてハングルで表記されています。韓国人は漢字語を漢字はなく、ハングルで理解しているのです。ハングルは表音文字ですから、漢字語は漢字では読めなくても、聞くと理解できるというのが現状ということになります。

 今は漢字を知る世代が少なくなっていますので、ハングルで表記された漢字語が間違っている例が多くなっているようです。朝鮮日報の2014年2月3日付けの記事によると、弊害の「폐해」を「폐혜」としたり、辛辣の「신랄」を「실랄」、 毀損の「훼손」を「회손」とするような間違いが、文字や文化を仕事とする人たちにまで広がっているとのことです。

 これは自分が聞いたり発音する通りに書き表したが故の間違いで、漢字の読み方を知っていれば間違えるはずのないものです。学校の試験でこれを書けば当然「×」をもらいます。ところがこの類の間違いが、いま韓国社会で広がりつつあるのです。

 韓国では一つの漢字には一つのハングルが対応します(例外はありますが、極めて少数)。すると対応するハングルが間違っていれば、元の漢字に戻すことが難しくなります。

 漢字に戻すという作業が、今や韓国人には出来なくなっていますので、上述したように、漢字のハングル標記の間違いが頻発するようになってきました。一つの漢字に一つのハングルが対応するという原則が、これからはどんどん崩れていくものと思われます。

 日本人が韓国語を読んでいく場合、ハングル表記の漢字語は元の漢字に戻しながら読みます。漢字の音読み・訓読み以外にもう一つハングル読みが加わったようなものです。ですから漢字語のハングル表記が間違われると、漢字に戻すことが難しくなります。

 しかし韓国ではこれからこのハングル表記の間違いが増えていくと予想されますので、我々としてはますます読み難い韓国語となっていくことは確実でしょう。