法治国家かどうか疑問の韓国 ― 2014/11/19
産経新聞のソウル支局長が韓国の朴大統領に関して書いた記事が名誉毀損に当たるとして起訴された事件について、かなりの批判が内外から集まっているようです。 この事件を解説する記事のなかに、韓国社会あるいは韓国という国家の特性を分析するものがあります。
その一つを紹介します。 日本経済新聞の鈴置高史さんはソウル特派員を経験した人で、韓国に関する本をいくつか出しておられます。彼がこの産経事件に関連して、韓国は法治国家でないと分析・解説しています。
法治国家ではない証拠を自ら発信 先ほど引用した、翌11日付の「産経前ソウル支局長起訴に対する我々の視点」(日本語版)の社説では、こうした批判も付けずに、堂々と以下のように書いています。 今回の事態は産経が自ら招いた。前支局長の記事は独身の朴大統領が妻帯者と男女関係があるかのように誹謗した性格が濃厚だ。市中に飛び交う疑惑を確認せず無責任に送り出したという非難から自由になれない。産経は訂正報道はもちろん、謝罪表明さえ真摯にしなかった。さらに前支局長と産経は、普段から度が過ぎる嫌韓報道で批判を受けていた人物と報道機関だった。 「普段から批判を受けていたこともあって起訴された」……なんて書いたら、世界から法治国家とは見なされなくなると、論説委員は考えなかったのでしょうか。
鈴置:考えもしなかったのでしょう。韓国では当然の話ですから。それにこの論説をそのまま英文にして世界に発信しています。「Dealing with defamation」(10月11日、英語版)がそれです。 米国務省の人権担当者がこの記事を読んだら、韓国が法治国家ではないことの明確な証拠として、この記事を保存しておくに違いありません。2014年版の人権報告書にこの事件を盛り込むためにも。
韓国の異様さを訴える韓国人 結局、韓国は普通の国ではないのですね。
鈴置:日本や米国、欧州を普通の国とするなら、韓国は普通の国とは言えません。「普通の国」の水準から言って法治国家でもないし、そうなろうともしていません。
憲法の上に“国民情緒法” 「不愉快な相手なら、別件で起訴できる」のですか、韓国では。
鈴置:できるのです、韓国では。だから記事の前文でも「産経の反韓姿勢が(起訴に)影響を及ぼした」と書き、本文にも以下のくだりがあるのです。 検察は産経の前支局長が韓国と関連し、論議を呼ぶ記事を何本も書いていることにも注目した。
韓国人は「不愉快な奴だから、無理やり法律を適用してもやっつけるのが当然」と考えます。法曹界も含めです。韓国の知識人が「我が国には憲法よりも上に『国民情緒法』なるものがある」としばしば苦笑するのもそのためです。
以上は 『日経ビジネス ON LINE 早読み深読み朝鮮半島』http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141014/272539/?P=5より引用
この『日経ビジネスON LINE』では、最近でも「韓国はなぜ「法治」を目指さないのか 『儒教国家群』を岡本隆司准教授と読み解く」と題して、さらに詳しく論じています。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141110/273627/?P=1
鈴置さんは韓国が普通の国とは言えず、法治国家でないと明言しています。 これと同様のことは、私もかつて拙論で繰り返し論じてきました。
法治国家というのは、国家・社会の根本原理です。 韓国が法治国家でないということは、韓国は日本とは同じ価値観を持つ国ではなく、違った価値観を持つ国だと考えるべきだということです。 別に言えば、単に意見の相違といったレベルではなく、もっと根源的なレベルでの違いです。 そしてこれは価値観の違いですから、どちらが正しいかと言うことは出来ないのです。
【拙論参照】
韓国の古代的法規範意識 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/10/27/1873691
韓国の法意識 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/11/10/1900716
韓国の法意識(続) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/11/17/2393593
法に対する思想が根本的に違う日本と韓国 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/09/11/6570566
法より情を優先する韓国社会 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/09/16/6575093
朴槿恵の謝罪―親の罪は子の罪か? http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/09/25/6584335
韓国の非常識判決ー対馬の盗難仏像 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/02/27/6732313
非常識がさらに非常識を呼ぶ―対馬仏像盗難事件 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/03/12/6744868
法を軽視する韓国の民族性 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/09/01/6967936
コメント
_ かい ― 2014/11/21 13:19
_ (未記入) ― 2014/11/22 03:23
法治というのは西欧由来の思想。だから鈴置は
>日本や米国、欧州を普通の国とするなら、韓国は普通の国とは言えません
と言っている。
法治に普遍性があるなんていったら、昔は西欧至上主義とか西欧かぶれなんて非難されたものだ。 今はどうなんだろう?
_ かい ― 2014/11/23 14:18
「普遍性」の意味がわかってないんですかね。個別特殊的じゃなく、
どこでも適用しうる、いう意味です。起源とか由来は関係ないんですよ。
ニュートンの物理学は西洋由来だけど、普遍性がありませんか。
「法治」は特に西洋起源というわけじゃありません。中国の諸子百家に法家というのがあります。といっても、ギリシャ、ローマの法治と中国の法治というのはだいぶ違うようです。
> 法治に普遍性があるなんていったら、昔は西欧至上主義とか西欧> かぶれなんて非難されたものだ。 今はどうなんだろう?
わたしも長いこと生きてますが、日本でそんなこと言われた時代なんてあるとは思えませんね。
ただ、わたしの若い頃は、訴訟なんか起こすと、いやがられたものですが、それは法治の否定じゃありませんよ。
すでに戦前から、刑法も刑事訴訟法もあってちゃんと運用されてたんです。
_ mahlergstav ― 2014/12/11 12:07
日本人は、政府の能力にはあまり不信感はない。それどころか、そこそこ能力があるから国民を騙しているといった不信感です。韓国人は、韓国政府そのものに能力が無いと思っているようです、
1980年代に金日成死亡という誤報をKCIAが流したことがあります。その時、韓国人留学生(40歳くらいの助教授)が、「またやっちまったか。KCIAにそんな情報収集能力は無い。」と嘆いていました。
この留学生は、朝鮮戦争とその後の大混乱どころか、日帝時代も微かに覚えている人です。李承晩も朴正煕も、朝鮮総督府出身の本格的な官僚等を排斥して、まともな教育も受けていないにも関わらず声だけ大きくて自分の庇護が無ければ失脚する輩で固めたようです。
この留学生は、これら腰巾着のために自分は冷や飯を食わされているという不満が強かった。
あれから韓国も成熟して、少しはマトモになっていると思いますが、政府が無能力という不信感は、根強く残っているのではないでしょうか。
政府の能力に疑問符が付けば、法律なんて全く信用するに足らずとなるでしょう。法治国家以前の話です。
_ (未記入) ― 2014/12/11 18:39
これは1986年の話。 北の謀略に引っ掛かって「金日成死亡」説を流したのはKCIAではなく、国防部。
この時、北では異常な放送が流れ、また38度線越しに弔旗が掲げられているのを見た韓国軍が、首領の死去と早とちりし、国会で国防長官が発表した。 だから確実な情報だろうと世界中にこの情報が駆け巡った。
しかしこの1週間後にモンゴルの高官が北を訪問して、金日成に挨拶する姿を北が公表した。
韓国国防部が北のちゃちな謀略に引っ掛かったというお粗末な事件であった。
国防部も情報分析にお粗末であることが世界に知れ渡った事件。
今の韓国は北に対する警戒心がこの当時よりも緩んでいるから、情報の収集・分析能力はさらに劣化していると見た方がいい。
_ mahlergstav ― 2014/12/12 10:44
2005年頃、「プロジェクトK~朝鮮者たち」というサイトを見つけました。今も、断片が残っています。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/3906/prok/
これを作ったのは在日と直感し、友人の在日(工学博士)に聞いたら、在日ではなく、純粋の韓国人だろうと答えました。そして、韓国人はこれを信じかねないと答えました。
とても信じられないので、この中の
「巨大ハブ空港を造れ」
~沖縄からの決死の蛇空輸作戦~
を引き合いにしました。
「これを見たら誰でもデタラメとわかるだろう。」と言うと、「それがね、韓国大統領府だとやりかねないと思うんですよ。」ということでした。
最近は、ウリジナルとか散々馬鹿にされていますが、本サイトは、まさにウリジナルを皮肉った内容なので、友人の言ったことも、本当だったのかなと思う次第です。
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法治の方が普遍性がありますね。
法が定まっていて、それが、きちんと運用されていることが前提ですが、
われわれは、公権力の行動が予測できますが、
国民情緒法では予測不能になってしまいますね。
要するに、国民の機嫌を損ねたら、処罰されるということですからね。