法治主義と儒教2014/11/23

  現代世界における法治主義は歴史的に遡ると、西欧に根源を求めることが出来ます。 だから法治主義は欧米崇拝思想だという主張がよく出てきます。 日本では千葉大学の趙景達教授が欧米の法治主義よりも、東アジアの儒教民本主義の優位性を主張しています。つまり法(ルール)よりも情緒(民本主義)が大事と考えておられるのです。 韓国が法治を否定して儒教に向かうのは歴史的淵源と根拠があるもので、正当であるとするものです。

「賄賂は腐敗ではない」民本主義と法治主義―趙景達   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/02/28/7233914

「賄賂は腐敗ではない」民本主義と法治主義(続)    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/03/02/7235833

 なお韓国が法治国家ではなく儒教国家であるというのは、先に紹介した京都府大の岡本隆司准教授も主張しておられますが、こちらは儒教よりも法治の方の優位性を説いています。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141118/273967/

 日本は法治国家を国是としていますが、韓国は法治よりも儒教に基づく徳治に重きを置いていることは趙さんも岡本さんも認めているところです。 ただしどちらが優位であるかについては、このお二人には意見の差があります。

 ところで法治と徳治とは、一方が正しいとしたら他方が間違いとなるほどの大きな違いがあります。 従ってこの違いをぶつけ合うと、相手を打ち負かすまで行くか、それとも感情のしこりを残したまま喧嘩別れするしかないものです。 日韓関係がこうならないためには、相手は価値観の違う人なんだと互いに認め合う、或いは折り合っていくしかないと考えます。