赤松啓介の思い出―売春婦の演技2015/03/31

 赤松啓介についてはこれまで何回か掲載してきました。 簡単な経歴を紹介すると、民俗・考古学者で、戦前からの共産党員。 特高の拷問を受けながらも非転向を貫いた方です。 自ら体験した夜這い風習についての著作が有名です。

 彼から聞いた話の思い出の続きです。 それは売春婦―当時の言葉で「淫売屋」のウソのことです。

 赤松さんは戦前の夜這いだけでなく、「淫売屋」についてもかなりの知識がありました。 売春とは商売で性を売ることですから、お客さんからどうのようにしてお金をたくさん出して貰うかを工夫します。 一番多いのはウソの身の上話です。

 病気のお父さんに薬を買ってあげるために仕方なくやっている、という話が典型的です。 これを演技でやるのですが、地方からやって来たような純朴な男性がよく引っ掛かる手口です。 この話を信じ込んで、このお金をあげるからお父さんに薬を買ってあげなさいと渡すわけです。 さらにはこういった男性のなかには、何遍もやって来てこの女性を指名してお金を渡すこともあったようです。 女性にとっては最高の顧客です。

 本当はこんな仕事をしたくないのに、悪い男に騙されて借金を作り、仕方なくやっているという身の上話をすることもあります。 これを演技で真実であるかのように男性にささやくのです。 ちょっとお金をため込んだような男性がこれに騙されて、借金を肩代わりしてやるから堅気になりなさいと大金を渡すことになります。 こういう場合もたまにあったとのことでした。

 また男性の中には「初割り」といって、処女を好む人がいます。 この場合は、売春婦なり立てで顔が知られていない少女が演技します。 どのように処女を演じるかを練習するのです。 これで普通の料金より何倍ものお金が貰えるわけですから、女性も必死です。 ただしこの演技、3・4人止まりで、それ以上やるとバレるとのことでした。

 またたとえ嫌な相手でもお金を出してくれるお客さんですから、じっと我慢してお客さんが喜ぶような会話と雰囲気を作ってあげるのが彼女らの仕事のテクニックだそうです。

 このような演技やテクニックは、抱え主(売春業者)が教えるとのことでした。

 赤松さんからこんな話を聞いたのが1970年代でした。 その時、今流行りの「トルコ風呂」(ソープランドのこと)というのを連れて行ってくれんか?今はそんなことをする精力も気力もないが、昔のと比較してみたい、と頼まれたことがあります。 その時は「はあ」と生返事して、結局は行かなかったです。

【拙稿参考】

赤松啓介の夜這い論        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2008/02/02/2596000

赤松啓介の思い出         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/09/17/5351878

戦前の拷問のやり方        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/11/07/5479466

週刊ポストに赤松啓介が紹介される http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/04/23/5821893

赤松啓介の思い出(続き)     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/07/22/6518872

産経新聞に赤松啓介が紹介される  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/08/15/6541796

赤松啓介の思い出―差別と性    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/06/01/6831892

『SAPIO』に赤松啓介が紹介される http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/09/07/7430066

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