本名強要は人格権侵害ー判決2015/04/24

 以前に拙ブログで取り上げました事件について、判決が出ました。

勤務先社長に賠償命令=在日男性への本名強要-静岡地裁       勤務先の社長が本名の韓国名を名乗るよう強要したのは人格権の侵害などとして、静岡県の40代の在日韓国人男性が社長を相手に、330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、静岡地裁であり、大久保正道裁判長は社長に55万円を支払うよう命じた。     訴状によると、男性は韓国籍だが日本で生まれ育ち、日本名の通称を使用。社長は2012年11月~13年5月、他の社員の前で「朝鮮名で名乗ったらどうだ」などと繰り返し発言した。        男性は屈辱と精神的苦痛を味わったと主張。社長側は「在日韓国人らは誇りを持って本名を名乗るのが本来の在り方と考え問いかけただけだ」と反論していた。(2015/04/24-13:27)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015042400061

【拙ブログ】 「通名・本名の名乗りは本人の意思を尊重せねば」 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/07/28/6925152

 1980~90年代前後に、嫌がる本人や父母の意思を無視して「本名を呼び名乗る運動」を強力に推し進めた活動家や教師たちは、この判決をどう思うのでしょうか? 聞いてみたいものです。

コメント

_ (未記入) ― 2015/04/25 18:25

最近は、原発のスペックも人格権を根拠に素人の裁判官が判断できる時代です。なんだか、人格権が流行りですね。

人格権も何に基づくかで違ってくると思います。基本的人権に基づく人格権なら、会社の社長には荷が重いと思います。基本的人権は個人と国の関係ですから。

人格権には、著作者人格権もありますが、ここでは無関係ですね。単なるパワハラの判例でOKだと思います。本人が苦痛を感じればそれでよいのだから。大げさな感じがします。

民事裁判は、損害の有無が争点であって、損害が無ければ人格権侵害でも問題ない。損害が無いのに賠償するいわれはないからです。

精神的苦痛といった実態の無いものは難しいですが、あまり強硬にやると人格権の行使でも権利の濫用でアウトでしょう。

在日に本名を名乗らせる運動に従事した人に言わせれば、あの時はあの時今は今と釈明するだけではないでしょうか。または、誰も訴えを起こさなかった。嫌なら訴えればよかったのだとか。

_ 健介 ― 2015/06/02 22:46

 自身の利益を得るために持ち出したものが人格権に過ぎない。
 要するに言いがかりを裁判所が人格権というありもしない虚構を他人に押し付けて自己の利益を図ることを認めたに過ぎない。
本人がいやがるかどうかは関係ない。事実の認識に過ぎないから。
 大体ねえ水俣病においても同じだが水俣病かどうかを裁判所が判定するということは異常だ。それは医学の問題でもしするなら、医療審判所のようなものを作ってすることで。海難審判書と同じ考えが必要です。
 わが国の裁判官はカラマーゾフの兄弟に出てくるイワンだったか、それと同じ考えの人がおり、彼らは一様に常識的に生きてきた人々が持っている感覚から見ると、異様な判決を出すことが多い、そのときの言い草がいつも面白い。今回の判決も同じものに過ぎない。
 それよりも本名の定義をしたらいいでしょう。
名前とは何か?特に近代社会においては重要ですよ。

_ とっちゃん坊や ― 2015/06/18 17:47

創氏改名や通名の問題は、本来資本主義的所有や取引の安定のために民法の個の特定の観点から論議されるべきもので、裁判官が世間の風潮に流されているのは、滑稽としか言えません。日本でも封建時代を考えれば、分かると思いますが、名字帯刀をを許されていなかった商人は個の特定のために屋号を公的に認知されていました。明治以降の資本主義化の中で、それが家制度の仕組みを組み入れて拡大されたのです。従って朝鮮半島での創氏と改名は別物であり、その流れを受けた通名は、公的な場面では通用しません。従って労働契約は通名での契約なのか?愛称的な呼び名が通名なのか?多分契約は本名、呼び名は通名ということだと思いますが、本来の法的安定という観点から再考を必要とするのではないでしょうか。

_ (未記入) ― 2015/06/18 20:52

>朝鮮半島での創氏と改名は別物であり、その流れを受けた通名は、公的な場面では通用しません

 外国人は通名登録すれば公的な場面でも通用するよ。不動産登記も通名で可能だ。

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