金時鐘さんの法的身分(4) ― 2015/08/31
金時鐘さんの法的身分について疑問を呈してきました。 金さんのウィキペディアによると、その経歴のなかで次のような一文があります。
在留特別許可を得て在日朝鮮人の政治・文化活動に参加した
在留特別許可ですから、金さんは警察あるいは入管に密入国の件で出頭して取り調べを受け、裁判を経て、法務大臣から「在留特別許可」という法的身分を得たことになります。
この在留特別許可によって作られた外国人登録名が「林」ということになります。 この「林」が本名でないことは、ご本人も認めておられます。
本名でない名前で、何故「特別在留許可」が下りたのか。 それ以前に密入国や不法滞在について裁判を受けているはずですが、この時も本名ではなく、「林」という別名だったということになります。 こんなことが何故可能だったのか、疑問に思えます。
この疑問は、ご本人の著作『なぜ書きつづけてきたか なぜ沈黙してきたか』(平凡社ライブラリー)の次のような対談でも確かめられます。
文京洙: 韓国に戸籍を作って韓国籍を取られて、韓国との関係はそれで決着がついたわけですけど、日本の入管法との関係はまだ解決していないですね。 金時鐘: 韓国籍を取ったとき、挨拶状を2003年の12月10日付で出しました。その挨拶状をどこで見たのか、大阪府警外事課の警官がすぐさま問い合わせに来ました。 私の家までです。 登録証の名前と「金時鐘」との違いをあれこれ聴いて言いましたが、「金時鐘」はペンネームだと言い張りました。(201~202頁)
http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/08/13/7732281
ここでは文京洙さんが「日本の入管法との関係はまだ解決していないですね。」と発言しておられます。 つまり金さんの法的身分に関して疑問が残っているわけです。
そして金さんは警察の問い合わせに対して「林」が本名で、「金時鐘」はペンネームだと言い張ったそうです。
法律上(外国人登録や韓国戸籍)は「林」が本名なのかもしれませんが、親から「金時鐘」という名前をもらい、20歳まではその名前で暮らし、学校に通っておられました。 何故この本当の本名の「金」で外国人登録をしなかったのか、また何故本当の本名の「金」で韓国の戸籍を作らなかったのか、やはり理解できないところです。