学校で朝鮮語を禁止した理由2017/01/20

 公用語や標準語が母語でない場合、公用語・標準語を教える最も効率的というか最善の方法は、母語の使用を禁止することです。

 例えば、外国語を勉強するには日本語禁止の場所で暮らすのが最も近道です。 外国語学科のある大学では、研究室や教室内では日本語を禁止している話はよく聞きます。

 日本の各地にある朝鮮学校も、生徒たちは一旦校門を出れば日本語ばかりを使うのですが、学校内では日本語禁止です。 

 植民地時代の朝鮮では日本語が公用語でした。 それは戸籍や登記簿、許認可、役所(学校や警察等を含む)に届ける各種書類、役所からの通知、朝鮮人が経営する民間会社でも社内書類や帳簿、契約等々、すべて日本語です。 裁判でもすべて日本語を使い、日本語を知らない朝鮮人は通訳を雇っていました。 だから朝鮮人が日本語を知らないことは大きなハンディだったのです。 逆に日本語を知っていて、書類が読める朝鮮人は重宝されました。 出世も早くなります。

 当時の朝鮮で、学校の教師たちが朝鮮人の子供たちに必死に日本語を教えようとした理由が分かります。 これは、今の日本では来日したばかりの外国人の子供に日本語を教える姿と変わらないでしょう。

 これを考えると、植民地時代の朝鮮の学校で、朝鮮人の子供たちに公用語である日本語を教えようとして、母語である朝鮮語を禁止したというのは、それほど悪いというものではありません。

 しかし朝鮮人の親たちは、日本語を教える学校に子供を行かせたのが半分もいなかったのです。 朝鮮人には教育の義務がなかったのですから、学校に行かなくてもよかった時代です。 特に女の子の場合、女は家で家事と育児をやるだけでいいのだから学校に行かせる必要はないとして、90%の女子児童は学校に行きませんでした。

 在日一世の女性(今は80歳代以上です)のほとんどの方が、日本語の読み書きが出来ないのは、こういった理由があります。

【拙稿参照】

日本統治下朝鮮における教育論の矛盾   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/02/01/1156247

植民地下の朝鮮で実施された選挙     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/01/03/7530641

『現代韓国を学ぶ』(6)       http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/06/11/6476173

朝鮮語を勉強していた大正天皇      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/09/24/6111974