韓国の反日感情はいつ形成された?2017/10/08

 韓国の反日感情について、30年ほど前までは日本の過酷な植民地支配の記憶があるから反日感情がある、というのが定説でした。 だから、植民地支配を体験した世代が社会の第一線から退き、それを知らない若者が韓国を担う時になれば反日感情は薄れるというものでした。 だから日韓の若い人同士の交流ともっと盛んにせねばならない、という主張となりました。

 しかし日韓交流を進めて相手方をよく知るようになると、実際に植民地支配を体験したお年寄り世代は必ずしも反日感情を有しておらず、むしろ懐かしさを語る人が多いことが分かりました。 また世界史において主に欧米がアジア・アフリカ・アメリカ等に植民地を経営していましたが、それらと比較してみると日本の朝鮮植民地支配は過酷と言えるかどうか疑問になります。 としたら過酷な植民地支配ゆえに反日感情が形成されたとは言えないのではないか、と思われるようになりました。

 次に反日感情をもっと遡らせて、李朝時代(朝鮮時代)に徹底された儒教(=朱子学)の華夷思想から反日感情を説明する人が出てきました。 朝鮮は文明国、それに対して日本は野蛮国だと軽蔑するもので、これが反日感情の淵源だとするものでした。 これはこれで説得力がありましたが、これでは近代化が進行すれば反日感情は薄れていくはずです。 しかし実際はそうではありません。 韓国の反日感情は維持されたままです。

 以上のようなことを考えていたら、最近になって黒田勝弘『隣国への足跡』(角川書店 2017年6月)に 反日感情は戦後(1945年の解放後)に形成されたと論じているのを見つけました。

朝鮮半島では多くの若者が戦時中、日本軍の戦勝ニュースに熱狂し、志願兵応募には列をなすほど日本人化していた。    日本統治時代の35年間に育った世代は‥‥ 解放後の新しい韓国を担う新しい中心世代にならなければならない。 ところがまずいことに彼らの多くは日本人化していた。   その結果、1945年の解放・独立は彼らに、「自分たちは日本人なのか韓国人なのか」という切実な問題をもたらした。 いわゆるアイデンティティの動揺である。 (308~309頁)

「はい、あなたは今日から韓国人ですよ」といわれてもすぐには実感できない。新生・韓国にとって最大の課題は、それまで日本人になりかかっていた韓国人を、あらためて本当の韓国人に作り直すことだった。   ‥‥ 「われわれは日本人ではない。韓国人である」ことを教え、韓国人に日本人離れを促すためにもっとも効果的な方法は、過去の日本つまり日本による統治時代のことを徹底的に否定することだった。 日本はいかに悪い存在で、いかに多くの悪いことをし、いかに韓国人はいじめられ、苦労したか‥‥を徹底的に教え込むことで、韓国人の日本人離れを促そうとしたのだ。 (309頁)

そのためには、日本支配の過去の歴史は酷ければ酷いほど都合がいい。   したがって過去は実態以上に、過剰に、暗く否定的に教えられた。 「韓国人の反日感情は戦後(解放後)に形成された」とよくいわれるゆえんである。 韓国としては、新しい韓国人作りのためにはそれはやらざるを得なかったのだ。

(日韓の国交正常化が遅れた理由は) 韓国人を本当の韓国人に作り変えるために、徹底した日本否定、日本非難の文字通り“洗脳作業”が展開されている時、宿敵・日本との国交正常化、関係改善などやれないのは当然だろう。  つまり、日本との関係改善や新たな交流がはじまっても、再び日本人に戻ってしまわないような“装置”を韓国社会に作っておくことが先決だった (310頁)

 韓国人は日本を否定することによって初めて韓国人らしくなると観念されていた、というのは説得力を感じました。 つまり反日感情こそが民族アイデンティティだということです。 確かに、在米韓国人は日本とは関わりがないのに従軍慰安婦問題で日本糾弾の運動を熱心にやっている理由がここにありそうです。

 韓国人が日本に魅力を感じながらも反日感情を維持しているというアンビバレントは、反日感情がなければ日本人化してしまい韓国人でなくなる、という危機感かも知れませんね。 それが戦後(解放後)の韓国人だったということです。

 黒田さんの「韓国の反日感情は戦後(1945年の解放後)に形成された」という主張は説得力がありますが、正しいかどうかとなると、その検証はこれからですね。

【拙稿参照】

古田博司 『醜いが、目をそらすな、隣国・韓国!』(3)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/03/21/7250136

世界で唯一日本を見下す韓国人   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/10/06/8216253

日本を見下す韓国(2)         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/12/22/8285733

コメント

_ 河太郎 ― 2017/10/08 16:39

>韓国の反日感情について、30年ほど前までは日本の過酷な植民地支配の記憶があるから反日感情がある、というのが定説でした。 

これは今でも日本人に贖罪意識を手っ取り早く植え付けるものとして使われ、それなりの効果を生んでいますね。
何しろ、日本の教科書で朝鮮植民地政策として負の側面だけがと堂々と記載されていますからね。
台湾の教科書では日本統治時代の肯定的評価も併記しているのですが。

>それを知らない若者が韓国を担う時になれば反日感情は薄れるというものでした。 だから日韓の若い人同士の交流ともっと盛んにせねばならない、という主張となりました。

日韓交流が日韓融和に貢献する、は完全に破綻したことは、ワールドカップ日韓共同開催そして韓流ブームが 、その後に嫌韓流を生み出したことで証明されました。

韓国の反日の実像を知った日本人が韓国に否定的評価をするようになったということですね。

>次に反日感情をもっと遡らせて、李朝時代(朝鮮時代)に徹底された儒教(=朱子学)の華夷思想から反日感情を説明する人が出てきました。 朝鮮は文明国、それに対して日本は野蛮国だと軽蔑するもので、これが反日感情の淵源だとするものでした。 

私は、この華夷秩序観念が韓国人の背骨になっていると解釈すると韓国の事柄がよく分かると思っています。つまり上位下位の認識が韓国人の最大の関心事であると。韓国人には平等という観念が希薄であり優劣の観念に親和性がある、と。

ソウルオリンピックで入場各国の紹介でGDPを加えたり、美容整形は美醜が女の序列を決定すると考えるから盛んだ、初対面で相手に卒業大学名を聞いたり、居酒屋で社長さんと呼べば皆が振り返るなどと言われたりします。

韓国が執拗に日本に謝罪を要求するのは、謝罪により道徳的優位性を固定化させるためだと読み解けばナルホドとなります。

>韓国人は日本を否定することによって初めて韓国人らしくなると観念されていた、というのは説得力を感じました。 

私も黒田勝弘さんの“ほとんど日本人になりかかっていた韓国人を、韓国の国民として新たにつくりなおさなければならなかった”を読んで、そうだったのか、と納得したことがありました。

>つまり反日感情こそが民族アイデンティティだということです。 

韓国人は下位に置きたいはずの日本なのに「日本の呪縛」から逃れられないとは、とツッコミが入りそうですね。

日本海を「東海」に変えれだの、旭日旗は「戦犯旗」だの、海外で有名になった日本起源の生け花、茶道、折り紙などの韓国起源説だの、とにかく、日本にまとわりつくのはヤメロ、ストーカーはヤメロの声が日本から起きるのも仕方のないところでしょうか。

>韓国人が日本に魅力を感じながらも反日感情を維持しているというアンビバレントは、反日感情がなければ日本人化してしまい韓国人でなくなる、という危機感かも知れませんね。 それが戦後(解放後)の韓国人だったということです。

この分析に韓国人は「火病」になるでしょうね。

何かにつけて何としても貶めたい対象の日本人と自分たちの関係をいわば、太陽と月のように譬えられる事ほど我慢のならないことは無いでしょう。

_ 大森 ― 2017/10/13 18:47

なかなか説得力のある意見ですがこれが正しいか否かは他地域の韓国人との比較、すなわち、

在日韓国人
中国の朝鮮族
サハリンの残留韓国人
中央アジアに強制移住させられた朝鮮人
その他戦前・戦後初期にに海外移住した韓国人

などとの比較が有効ではないかと思います

あと、戦後反日教育の洗礼を受けた後海外に移住した韓国人の反日感情の変遷にも興味ありますね

_ (未記入) ― 2017/10/14 15:22

日韓友好など絵にかいた餅だと言うことが良くわかりました。韓国人とは関わらない方がお互いの為だと言うことも良くわかりました。

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