新型コロナ検査の信頼性(3)2020/03/23

 朝日新聞3月22日付の「韓国、懸命の感染抑え込み PCR検査が急速に普及」と題する記事  https://digital.asahi.com/articles/ASN3P6CTNN3NUHBI02F.html   のなかに検査キット製造会社代表のインタビューがあり、代表がPCR法の信頼性について次のように述べたというものがありました。

――国外からは、韓国では検査が多い一方、「疑陽性」など判断の誤りもあるとの指摘があります。

「私たちは検査キットに使う試薬の原材料を自社でつくっており、品質管理でも大量生産でも有利だ。試薬は正確さが第一とされ、なかでも感度と特異度がある。感度とは、感染初期の段階でもウイルスを見つけだすことができるか。特異度とは、本当のウイルスだけを選び出すこと。大量生産の場合は特にこうした品質の維持が重要だ」

 朝日記者はPCR法には誤りが多いのではないかと質問したのですが、それに対して会社代表は直接には答えず、自社が製造する検査キットは正確第一で品質維持に努めているというものです。 要するに自社製品は信頼できるということです。 

 日本では、PCR法の信頼性はいま一つだからむやみに検査を多くしても意味がない、医師が慎重に判断して検査を依頼すべきものだという見解なのですが、韓国ではそんな意見は全くといっていい程にありません。 信頼できることが前提で、早期発見のために検査をたくさんやろうということになります。

 今韓国が自画自賛するドライブスルー方式では、問診票に症状等とともに検査を希望する理由を書いて提出し、医師がそれを読んだだけで検査するかどうかを判断するようです。 日本のように医師が対面して診断したうえで判断するということはないとされています。 韓国では検査数が多く、日本では少ないというのは、こういう事情なのですねえ。

 韓国では、早期発見のためにたくさんの検査をすることによって新型コロナ感染の拡大を抑え込んでいると主張し、わが国は世界の模範だとまで言います。 そして日本の安倍政権は感染者数を少なく見せるために検査を抑えているという謀略論的な言い方をする人が多いですね。

 今は韓国と日本では検査に対する考え方や方法が違うとしか言えません。 韓国のように検査を多くするのがいいのか、日本のように絞り込んでするのがいいのか、こういうことは新型コロナ騒ぎが収まってから検証すべきものでしょう。 

 ところで朝日のインタビューでは、この会社代表が検査の「感度」と「特異度」について日本の感染症専門家とは違う説明をしていますね。 このような医学用語は世界共通だと思うのですが、なぜ違いが出てくるのでしょうか? 韓国の検査会社代表の言うことが正しいのか、日本の専門家の解説が正しいのか?

新型コロナ検査の信頼性 ―韓国と日本では違うのか? http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/03/10/9222614

新型コロナ検査の信頼性(2)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/03/16/9224844

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