熱海土石流―「同和」の体質と恐怖2021/07/26

 去る7月3日に起きた熱海土石流災害で、その原因となった盛り土を不正造成した業者が同和企業であることが、ネット上で話題になっていますね。 しかし、マスコミにとってはやはり「同和」はタブーなのでしょうか、追及が鈍いですね。

 一方でネットでもマスコミでも、行政が悪事を知っていながら見逃していたのではないかと、市や県の責任を問う意見が強いようです。 それは当然といえば当然なのですが、しかしこれは「同和」をよく知らない人が言っているように思われます。

 1970年代以降の、いわゆる「同和団体」傘下の同和業者の違法行為や行政指導無視、そしてこれを是正させようとした行政担当職員が受ける恐怖。 これは体験したことのない人には理解が難しいのではないかと思います。 ですから、これに言及しないで行政責任を問うのはいかがなものかと考えます。

 ところで私は40年以上前ですが、同和企業でアルバイトをした経験があります。 その体験から見た同和企業とはどういうものだったか、拙ブログ7月11日付でその思い出話を書きました。 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2021/07/11/9396847

 要点を再録しますと、

私はこれを知って、40数年前に同和企業でアルバイトしていたこと思い出しました。 そこはH県I市のHという同和地区にあったN組という土建会社でした。 私は土建の知識なんて全くなかったのですが、驚きの連続でした。 一例を挙げますと、

会社は農業用水路改修工事を請け負った際に、近くの空き地を残土の仮置き場として借用した。 そうしたら会社はどうしたか。 空き地内に運び込まれた残土を周りに高く盛り上げて、周囲から見えないようにした。 そうすると残土の山の内側は平らな地面として残る。 次にこの平坦地を深く掘り下げて、その土を売り飛ばす。 台地の地山の土だったから埋め立てに使うのにちょうどいいので、そこそこに売れたそうだ。 そして借地の真ん中に空いた穴に、今度は産業廃棄物を含んだ泥土を埋めていった。 産業廃棄物はいつの時代でも同じだが、廃棄には苦労するもので、多額の費用が掛かる。 会社はこれを引き受けて、実際はこの穴に放り込んだのであった。 最後は穴をきれいに埋めて整地し、所有者に返還して終わった。

当時の私は土建の知識がありませんでしたから、会社の人から、土建屋はどこでもこれと同じことをしている、お金を出して他人の土地を借りてもお金を儲ける、これが知恵というものだと言われて、土建業界ってすごいところなんだと思ったものでした。

そして行政から何か言われたら、こっちは同和だと言い返せばいいと教わりました。 ただ当時は、同和は社会から差別された存在と学校で習っていましたから、それが特段悪いこととは思っていませんでした。

 このうちの「行政から何か言われたら、こっちは同和だと言い返せばいいと教わりました」というところです。 何だ、そんなことか、と思われるでしょうが、「同和」に直接関わったことのない人には分からないでしょうねえ。

 私のアルバイト経験では、ある工事でこんなことをしたら近所から苦情が来ますよと言ったら、「それやったら俺が出て行ってやる、この顔を見せたらビックリして引っ込むから」と言っていましたねえ。 つまり見ただけで恐ろしくなるような雰囲気を持った人間―そんな人が実際にいたのです。 一般人が見たら怖くて喋れなくなります。 だから行政に苦情を入れることになります。 そして行政担当者は毎日のようにかかってくる苦情の電話に応対して、現場に行政指導に行っても業者からは全く無視されるし、そしてあの怖い顔を目の当たりに見なければならず、ついには「僕は同和に殺される」と嘆いておられましたねえ。

 ここまで書くと、さらにその行政担当者になりかわって言ってあげたくなります。

 行政担当者の嘆きのもう一つは、それを訴える場がないということです。 マスコミは「同和」と聞いてしり込みして追及しようとしないし、警察は犯罪でない以上こちらは関係ないという態度です。 そして市当局は市民に向かって「同和問題の解決は全国民の課題!」なんて呼びかけていますから、同和業者の社長は市長なんかとしょっちゅう会っていて、知人関係になっています。 ですから市長はじめ市幹部連中は自分のところの職員からの、同和業者がどれほどエゲツないのかという情報を最初から聞く耳を持ちません。 結局担当者は上司からも守ってくれずに一人で孤立し、同和業者の違法行為を見逃すような事態になります。 すると同和業者は行政なんか怖くないと公言し、またそれを自慢し、更なる違法・迷惑行為を平然と繰り返します。

 この「違法・迷惑行為」に、私もアルバイトとして関わっていたのですから、私も同罪ですね。 このようなことは忘れねばならないと思ったので、今まであまり言わないようにしてきました。 しかし熱海土石流災害を見て、少しずつ思い出してきます。 やはり言っておかなくてはならないと考え直しました。

 ところで拙ブログで、私は同和企業の共通する特徴として、次のように論じました。

その後、他地域でも悪い評判の立つ土建屋には必ずと言っていいほどに同和企業が含まれていることを知りました。 こういう経験をして、私はようやく同和企業に共通する体質というものがあるのではないかと思うようになりました。

「共通する体質」とは、前述したように法令違反と行政指導無視を平然と行なうこと、同和であることを公然と示すこと、特に立場が悪くなりそうな時には効果が大きい、そしてその場さえ切り抜けたら、後はどうなっても知らぬ顔をする‥‥といったところです。

ここが、熱海土石流の原因をつくった同和企業と、私がアルバイトで働いたことのある同和企業の共通点だと感じましたね。

 今回の熱海災害は、例えば『デイーリー新潮』などがその業者を追及しています。https://news.yahoo.co.jp/articles/c5b953a672f27ce3889a2fd1de2b9cd5c27f9519  しかしその悪徳業者が「同和企業」であり、上述したような典型的な「同和」体質を身に着けて周囲に「同和」の恐怖を与えていた、という点まで追及してほしかったですね。 

 こういう類の話はかつては西日本で解放同盟関連が多かったのですが、今回は東日本で自由同和会ですね。 「同和」の体質は変わらずに、場所が西から東へ、そして組織が解同から自由同和へと変えていっているのかなあ、という印象ですね。

 「同和」に対しては、マスコミは今なおタブー扱いです。 今度の事件を機会に「同和の体質と恐怖」が明るみに出ることを願っています。

【拙稿参照】

同和企業の思い出 ―熱海土石流災害を見て http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2021/07/11/9396847

差別問題の解決とは?      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/07/09/9266205

同和出自を明かすことは‥‥   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/07/13/9267584

解放運動の闇専従-森山栄治  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/12/18/9190648