旧土人保護法2008/04/18

>では日本の法律として存在し続けた「旧土人法(北海道旧土人保護法)」についてはどう思われますか?> > 一応10年前に廃止されましたが、日本という国家システムの中に「単一民族論」が根強かったことの一つの証拠にならないでしょうか?> > 少なくとも、戦後の日本において民族出自による差別がなかったとは言えないと思います。>

 この法律の趣旨は、アイヌの人たちに土地を付与して農業を奨励することをはじめ、医療、生活扶助、教育などの保護対策をおこなうものでした。  法律名は確かに差別的で、またその中身については「同化」「搾取」といった批判がありますが、アイヌ人たちを自立させるために援助するというものです。彼らにとっては経済的・物理的なところに限れば、決して不利なものではありません。

 なお日本国籍者でもその一部の集団・階層等その社会的に置かれた状況から、法律で援助するものはたくさんあります。これらが差別的なものかどうか疑問です。

 日本が「単一民族論」が根強いのは事実ですが、「旧土人保護法」はそれとは矛盾するものです。だからこそ中曽根首相が「日本は単一民族だ」と発言したのに対し、この法律を持ち出されて批判され、反論できなかったものでした。これを機会にこの法律が廃止されました。  この法律が「単一民族論」の根拠となったという言説は誤りと考えます。

コメント

_ 村上 ― 2008/06/26 00:38

「土人」というのは元々土着の人をさす言葉で、北海道の場合、江戸時代既に日本人の人口がアイヌ人を上回っていたので前者を土人(新土人)、後者を旧土人として区別したわけでとりたてて差別的な意味は含まれていないと思います。逆に言うとアイヌ人を異民族としてきちんと把握していたわけでもないと思います。単に遅れた民(都会人が田舎者を見るような目線)としてとらえていた可能性もあります。
結果的に流れに乗って自作農化、日本化したアイヌ人は少なくないようです。そういう人たちはもはや表には出てきませんが。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック