中高年女性の韓流ブーム2010/10/30

 日本の中高年女性の韓流ブームは、スゴイというか、そのエネルギーにビックリします。彼女らの韓国好きは、政治や社会問題とは全く懸け離れたレベルにあります。純粋に好きだから、という一点のみですねえ。

 思い起こせば1970年代、韓国に興味がある人と言えば、かなり偏った人ばかりでしたねえ。韓国語学習に例をとると‥。

 左翼・革新系のイデオロギーにかぶれて、朝鮮の統一や韓国の民主化に一役買いたいと思った人たち。あるいは、在日の民族差別問題に関わろうとした人たち。こういう動機で韓国語を勉強しようとした人は少なくありませんでした。私もその一人でした。

 韓国のキーセンに溺れて、何とかコミュニケーションしたいと必死に韓国語を勉強しようとした中年男性たち。当時は、韓国のキーセン観光(=買春旅行)反対運動が盛んな時期でしたが、それをものともしない人がいました。なお、キーセン観光は日本男性だけでなく、在日の男性もかなりの割合でしたねえ。この事実を知って、キーセン観光はアジア女性に対する性侵略だ!!と主張する運動が白々しく見えたものでした。

 このような数十年前の昔を知る私には、今の中高年女性の韓流・韓国語学習熱には、もうビックリ。その純粋性というか、無邪気さは疑うべきではありません。日本と朝鮮の関係史が常に「不幸な歴史」と表現される状況のなかで、この韓流ブーム現象は特筆すべき現象と言えます。

 しかし、いい年をした女性が 「えー! 韓国はベトナムと戦争していたのですか?」 「何で北朝鮮と韓国の二つに分かれているの?いつ分かれたの?」などという発言を聞くと、単に好きなだけでなく、もう少し勉強してほしいなあと思っています。