朝鮮が統一すれば?2011/05/28

 2・30年程前までは、北も南も、従って日本では朝鮮総連も韓国民団も、みんな祖国の統一を熱望していました。

 1970年代に、朝鮮総連の人から、「朝鮮は北は工業、南は農業。これが分断されているから力が弱い。もし統一されたら、北の工業と南の農業が一緒になるので、強力な国家となる。誰も祖国をバカにする人はいなくなる。」

  「日本は朝鮮が統一して強国になることを恐れている。いつまで弱い国になってほしいと思っているから、統一に反対しているのだ。」

「日本人は祖国の統一を邪魔しないでほしい。日本に望むことはそれだけです。」

などと言っておられたことを記憶しています。

 1990年代に入って、東欧の社会主義が崩壊し、特に東ドイツが西ドイツに吸収される形で統一を実現しました。これによって、朝鮮の統一とは、北の社会主義が崩壊して南によって統一されることもあり得る、ということが現実味を帯びるようになりました。

 それはともかくとして、いずれの形であれ、将来のいつかは朝鮮は統一されることになるでしょう。その時、どのような国家になっているのか、想像してみたことがあります。

 北の国是は「反米・反日」です。南の国是は「反共・反日」でした。これが統一するとなれば、共通するのは「反日」です。

 北も南も、日本のこととなると、途端に元気になっていわゆる「反日」感情を高ぶらせます。

 従って、もし統一朝鮮の国民をまとめようとしたら、「反日」を掲げることが一番手っ取り早いことになることでしょう。統一政権は日本に対して強硬な態度を取ることで、国内での支持を得ようとすることになるでしょう。

 勝手な想像かも知れませんが、お隣に強大な反日国家ができるのではないか、朝鮮の統一とはそれを意味するのではないか。

 以上は十数年前の1990年代に、朝鮮の統一について考えていたことです。今、思い出しながら少し書いてみました。