金正日急死への疑問2012/01/15

 韓国の心臓専門医は、金正日の突然死に対して疑問を持っているようです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120115-00000345-chosun-kr

 この記事では、最後に次のように疑問を提起しています。

>金総書記は、北朝鮮で最高のVIP患者だったはずだ。北朝鮮には3-4年前から、当局の要請により、米国の最高の病院で数カ月間にわたって医学研修を受けたエリート医師たちがいる。彼らが突然死を防ぐ方法を身に付けていないはずがない。ところが、最先端の医療を施す施設や設備、経験がなかったということになる。>

 ところでこの記事では、生前の金正日の場合、「ステント挿入手術」や「不整脈が発生した場所をレーザーで焼き切る手術」あるいは「心臓の周囲に名刺ほどの大きさのペースメーカー(電気刺激発生装置)を埋め込む」手術が必要だったということです。しかし北朝鮮の医者たちは、私の想像ですが、金正日の身体にメスを入れるのを拒否したのではないか、と考えます。それは父親の場合と同じだろうと思われるからです。

 父親の金日成は、首の後ろに大きな瘤がありましたが、死ぬまで除去しませんでした。これについて、二つ説がありました。

 一つは金日成の玉体を傷つけてはならいない、という考え方があったからだというものです。かつて昭和天皇が病気になられて手術するかどうか議論があった時、一部右翼が、神聖な玉体にメスを入れるとは何事か!という反対があったのと同じ理由です。

 もう一つは、もし手術をして万一失敗したら、その医者は家族含めて罪を問われる可能性が大きいから、金日成の身体にメスを入れることができなかった、というものです。

 結論的にいうと、金日成の死後、その死体は病理解剖されていますから、前者の玉体説は否定することができます。すなわち、北朝鮮の優秀な医者たちは、金日成の病気に対して玉体が神聖だからでなく 単純に万一のことを思うと余りに恐ろしくて手術することができず、まともな治療をして来なかった、ということになります。

 今度の金正日についても、同じことが言えるのではないかと思います。  おそらくは医師たちは自分への責任を問われるのを恐れて、突然倒れた金正日に何も手を施さなかったのでしょう。 もし何かの手当をして自分の前で死ぬことがあれば、責任を問われます。だから自分たちの知らないところで突然死したとするのが一番いいことになります。

 従って死因についても医者たちは、例え病理解剖したとしても、自分たちの責任にならないように死因を発表した可能性があると思います。

 私の想像がかなり入っていますが、当たらずと言えども遠からず、と考えています。韓国の新聞を読みながら、様々な状況を想像してみました。

(参考) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/12/19/6250374

(拙ブログ 論考一覧表) http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/burogu

(拙HP論考一覧表) http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/ronkoushuu