韓国における強姦と強制わいせつ件数2013/03/17

 韓国の犯罪統計では、強姦(強姦罪)と強制わいせつ(性暴力処罰法)を合わせた数字しか出てこないのですが、これは2002年以降のことです。

 強姦罪は1953年の刑法制定時からありますが、性暴力処罰法は1994年制定です。正確な法律名は「性暴力犯罪の処罰および被害者保護等に関する法律 1994年1月5日 法律第4702号」です。

 このため韓国の犯罪統計では1994年から、性暴行(強制わいせつ)の件数が出てきて、強姦件数とともに両方の数字が出てきます。

 1994年 強姦6,169 性暴力1,246      1995年 強姦4,912 性暴力1,262      1996年 強姦5,688 性暴力1,470      1997年 強姦5,665 性暴力1,455       1998年 強姦6,016 性暴力1,870      1999年 強姦6,410 性暴力2,420      2000年 強姦6,982 性暴力3,207      2001年 強姦6,911 性暴力3,535        (『韓国犯罪白書2002年』による)

 ところが2002年以降はこの両者を合わせた数字だけが出てきて、それまでのように分けた数字が出てきません。その理由について探してみましたが、分かりませんでした。

 強姦と性暴行(強制わいせつ)の違いについて、今更言う必要もないでしょうが、念のため言っておきます。暴力あるいは脅迫による犯罪行為であることは共通しますが、男性性器が女性性器に挿入されると強姦、それ以外が性暴行(強制わいせつ)となります。

 従って、例えば小学校に入ったばかりの少女が性暴行されて、少女の肛門・直腸が損壊するという痛ましい事件がありましたが、これは強姦ではなく性暴行(強制わいせつ)に当たります。また、女性を脅迫して自分の性器を口にくわえさせることも、強姦ではなく性暴行(強制わいせつ)に当たります。

 こうなると、犯罪の悪質性・残酷性には変わりがなく、果たして分けた数字を出す(日本の場合)ことに意味があるのかな、という感じがします。

【参考】韓国の性犯罪

http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/08/31/6560292