伊地知紀子『消されたマッコリ』(6)2015/12/29

 この本には「正誤表」がついています。       インターネット上でも、その正誤表が公開されています。

http://exploredoc.com/doc/6045681/%E3%80%8E%E6%B6%88%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%80%82%E3%80%8F%E5%88%9D%E7%89%88%E7%AC%AC1%E5%88%B7%E6%AD%A3%E8%AA%A4%E8%A1%A8%EF%BC%88pdf%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB%EF%BC%89

 誤りはこの正誤表以外にもう一つあります。 172頁に振られている注(8~12)が、176頁にある注と一致していません。

 この本に限りませんが、出版物には誤りが多いという気がします。しかし出版業界では正誤表を出すだけで終わってしまうところに、違和感があります。

 例えば食品では、間違ったものを出せば大騒ぎになります。 また他の商品でも、欠陥商品は交換してくれるか、返金してくれるのが普通です。 

 しかし出版物は正誤表を出すだけで終わります。 書籍の品質管理は一体どうなっているのか? いつも不思議に思います。

 『消されたマッコリ』に戻りますと、取材に協力してくれた人の名前の間違いや、この本の主テーマである多奈川事件を報道した新聞記事の図版キャプションの年代の間違いなどは、およそあってはならない間違いでしょう。 特に新聞記事の年代の間違いは、掲載されている図版のなかに「昭和27年」と明記されており、キャプションにある年代(1956年)との違いは誰でもがすぐに気が付くレベルのものです。

 安くないお金で買ってもらう商品なのに、その品質管理はいかがなものかと思います。

伊地知紀子『消されたマッコリ』(1) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/12/08/7940574

伊地知紀子『消されたマッコリ』(2) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/12/13/7947408

伊地知紀子『消されたマッコリ』(3) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/12/17/7951241

伊地知紀子『消されたマッコリ』(4)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/12/21/7956212

伊地知紀子『消されたマッコリ』(5) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/12/26/7961704