蓮舫の二重国籍疑惑2016/09/09

 民進党の蓮舫は二重国籍ではないかという「疑惑」が提起されて、ちょっと騒がしいです 。私は15年前に二重国籍について論じたことがあります。http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daisanjuusandai  また在日韓国人から国籍について相談を受けたこともありましたから、この「疑惑」に関心があります。

 問題の要点は、蓮舫が1985年の日本国籍法の改正(父母両系主義に変わった)に伴い、日本国籍を選択した際に、台湾籍を離脱したのかどうかという点に絞られます。 「疑惑」を提起した人は、台湾は20歳以上の成人でないと台湾籍を離脱できないから当時17歳の蓮舫は台湾籍を離脱していない、というものです。 これに対し蓮舫は、保護者の父親と離脱の手続きをしたと主張しています。

 しかし父親が手続きをしたというのは、蓮舫の子供時代の記憶によるものですから、確かなものではありません。 父親が亡くなって20年以上も経っていますから、その時にどのような書類を用意してどのように手続きをしたかも今は分からないでしょう。 ちゃんと手続して台湾籍を離脱したかも知れませんし、手続きが不十分で離脱に至っていないかも知れません。 またその時に台湾側の窓口がどのように対応したのかも分からないでしょう。

 台湾籍を今なお有しているかどうかについては、結局は台湾当局の正式な調査結果を待つしかありません。 30年も前のことですから、当時の資料が果たして残っているのかどうか。 台湾の戸籍を見れば台湾籍を有しているかどうかはすぐに分かるはずと思う人があるかも知れませんが、それは簡単ではないです。 台湾籍を離脱していても、それが戸籍に記載されるかどうかは別問題だからです。 これは日本でも同じで、他国の国籍を取得した日本人は日本籍から離脱するため戸籍から除籍されねばなりませんが、そうせずに戸籍に残っている例が多いものです。

 確かなことは、その後の蓮舫は自分が日本の単一国籍者として行動し、台湾籍者としての行動をしていない(具体的には台湾のパスポートを取得する・台湾の参政権を行使するなど)ことです。 つまり二重国籍者とは思ってこなかったし、そういう振る舞いもしてこなかったということです。 そして周囲もまたそれを認めてきたということです。 このことから、今回の「二重国籍疑惑」は、大きく問題にするほどのことではないと思います。

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