米国籍などの特別永住者 (再録) ― 2017/03/08
特別永住者は、その歴史的経過から本来は朝鮮・韓国・台湾籍ですが、実際には現在アメリカやオーストラリアなどの国籍を有している人もいます。
法務省の在留外国人統計(2016年6月)によれば、特別永住者総数344,322人中、朝鮮・韓国・台湾・中国籍は342,713人で、米国(780人)、やオーストラリア(121人)、カナダ(112人)、フランス(79人)、英国(79人)などその他の国籍者は1,609人です。 数としては多くありませんが、無視できるものではありません。
こんな事実すら知らないで、特別永住制度を論じる人がいるのにはビックリしますね。
これについて10年前に解説したことがありますので、再録します。
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特別永住は、日本の旧植民地出身者で引き続き日本に在住してきた人が有する法的地位で、従って国籍は「韓国」「朝鮮」「中国(台湾)」となります。しかし現在はそれだけでなく、「米国」「カナダ」「英国」等々の国籍を有するものが少なからずいます。
特別永住者は日本に帰化すると当然ながら特別永住資格は無くなります。しかし第三国に帰化(国籍変更)した場合、特別永住資格は消滅しません。法にはそういう規定がないからです。
従って「米国」「英国」「カナダ」等々の国籍を有する特別永住者が現れることになります。
特別永住者の外国人登録国籍欄に記載される国・地域は、上記のように元来は「朝鮮」「韓国」「中国(台湾)」ですが、今ではこのように様々な国籍があります。
数としては千人程のようですが、無視できるものではありません。