35年前における日韓の認識差(3)2017/12/02

韓国側- 両国の互恵発展のために技術移転や資本協力について日本政府がもう少し高次元の立場で介入すべきではないか。

日本側- よくご存知のように、日本は自由経済体制である。 したがって、民間に対して政府がああしろ、こうしろと言うことができないし、またそれが互いに役立つとは思えない。 技術移転問題も政府ベースで解決するよりも民間同士の商品ベースで解決するのがよかろう。 しかし、最近では韓国が大変発展し、日本を脅かすので注意せねばならないという雰囲気が強まっている。 「ブーメラン効果」を憂慮する人が多い。

 韓国側は日本政府の介入を要求しています。 これは韓国と日本のお国柄の違いでしょう。 韓国は大統領の一声で万事が解決する国です。 政治と経済とは対等ではなく、経済も政治に従属するという発想があると考えたらいいです。 従って日本側から「政府は民間に介入できない」と言われても納得がいかず、「なぜ首相が決断しないのか」という反応になります。

 「ブーメラン効果」というのは、韓国がそれだけの技術力を有してきたということが前提ですから、韓国を高く評価していることになります。 しかし韓国側は自国の技術の低さをアピールします。 小林記者は韓国他紙の次のような発言を報告しています。 「日本の技術水準は世界の最先端であり、われわれが追いつくことは思いもよらないことである」(『韓国日報』 朴仁淳経済部長)。 「日本が恐れる『ブーメラン効果』は虚構に過ぎない」(『中央日報』 崔禹錫編集局次長)。

   韓国側は自国の技術の低さを語ることによって日本との技術格差をアピールし、「ブーメラン効果」なんてとんでもない、だからこそ先進国の日本は韓国に技術を移転してほしいという要求につながります。 そこには日本は韓国を助けて当然だという認識があり、さらに上述したようにあわよくばタダで技術を手に入れたいという気持ちが現われています。 こうなると、日本に学んで自ら技術を開発していこうという発想がなかなか出てこないものです。

 これが当時の韓国でした。 現在の韓国からはちょっと想像がつきにくいかも知れません。

35年前における日韓の認識差(1)   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/11/20/8731033

35年前における日韓の認識差(2) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/11/26/8734592