ビックリ「安倍晋三」論 ―ハム・ヨンジュン(2)2019/12/04

http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/11/27/9181777 の続きです。

彼らは正にそれ以降、朝鮮半島植民地支配を主導した長州出身たちだ。 今は山口県と呼ばれる長州は、1868年の明治維新以後、大部分の帝国主義侵略と戦争を主導しただけでなく、今までも日本の政・官・軍を支配する総本山だ。(その上に組織暴力団「山口組」もヤクザの最大勢力だ。)

 「長州出身者たち」というのは、前回にあるようにハムさんが閔妃暗殺事件に関与したと考えている、井上馨・伊藤博文・山縣有朋・三浦梧楼のことです。

 明治以降の帝国主義的侵略は旧長州藩士が主導したというのは、かなり以前に日本の革新系の誰かが言っていたのを記憶しています。 ハムさんによると、長州出身者は今の日本でも政治・官僚・軍事を支配しているそうです。 これは「真説 隠された日本の裏面史」とかの類のトンデモ歴史書の世界と同じですね。 酒席の与太話としては面白いですが、ハムさんはこれを真剣に信じておられるのですねえ。

 さらに「山口組」が出てくるのには驚きました。 山口組は初代と二代目組長の名前が「山口」だったというだけで、山口県とは何の関係もありません。 冗談かと思いましたが、括弧書きで明記されています。 私の創作ではありませんので、念のため。 しかしハムさんはこれも真面目に書いておられるので、ビックリです。

歴史上、日本最長の総理として、乱暴に韓国を扱っている安倍晋三総理も、やはりここの出身だ。 父親が外務相、外祖父二人が総理、高祖父が旧韓末に朝鮮駐在日本軍司令官を務めた、長州人脈の皇太子だ。

 外務相とは安倍晋太郎、外祖父二人とは岸信介と佐藤栄作、高祖父は大島義昌です。 ところで安倍総理を「長州人脈の皇太子」と呼んでいます。 つまり安倍総理が朝鮮侵略を主導した長州人の系譜を引いているということです。 これも酒席の与太話としては面白いのですが‥‥。

彼は二回目の総理就任の8ヶ月後である2013年8月13日、記者を帯同して、故郷の山口(長州)に下り、「最も尊敬する英雄」吉田松陰(1830~1859)の墓を参拝し、「正しい判断をしよう」と誓った。 いったい松陰は誰で、「正しい判断」とは何の意味なのか。

下級の侍の家の出身である吉田は19世紀の幕府体制破壊など、超強硬な体制変革を図り、29歳に国家保安法で処刑されるが、その前に松下村塾を設立し、伊藤博文を始め、日本帝国主義の主役たちを直接育てた。彼の世界観は、獄中に書いた「幽囚録」にそのまま出ている。

「朝鮮を属国化し、満州・台湾・フィリピン一帯を鹵獲する。 列強との交易で失った国富を朝鮮と満州で償わねばならない。」

彼らには「ソウルに残しておいた夢(漢城之残夢)」がある。 19世紀に日本を代表する知識人が慶応大学を設立者である福沢諭吉の言葉のように「朝鮮は奪われることは出来ず、奪われてはいけない唇亡歯寒の関係の地」である。

 吉田松陰は幕末当時の社会ではかなり先を見通した先覚者として大きな意味があります。 欧米列強に対抗して、周辺諸国にまで日本の版図を広げようと主張しました。 今では帝国主義的侵略思想となりますが、当時としては画期的で、百年先までの日本をかなり正確に展望していました。 その点はハムさんも高く評価(ただし逆の意味で)していますね。 なお松陰は、100年後に日本が全面敗北することまでは予想していませんでした。

 ところで「漢城之残夢」は福沢諭吉の言葉ではなく、彼の弟子である井上角五郎が出した本の名前です。 彼の名前が出てこないのは不思議です。 また日本と朝鮮が「唇亡歯寒の関係」と言ったのは福沢諭吉としていますが、ちょっと調べてみても出てきませんねえ。 諭吉なのか角五郎なのか、二人の経歴からすると角五郎の言葉のように思えるのですが。

結局、安倍の誓いは「日本の右傾化」を超えて「大日本主義の復活」を通して、帝国の昔の栄光を取り戻そうという決意だ。 だから過去史を無視し、軍事再武装を追求しながら平和憲法撤廃および改憲にドライブをかけている。 彼は去る10月4日、議会演説でより確実な本音をあらわにした。

「日本は100年前、欧米の植民地に対抗して、人種平等のために乗り出しました。」

彼の英雄である吉田松陰の征韓論と大東亜共栄論を事実上擁護した発言だった。 今安倍勢力は、絶好のチャンスを迎えた。隣の韓国の事情は滅茶苦茶で、日本の世論はまとまっている。 しかも世界の至る所が落ち着かない状況で、アメリカももうこれ以上韓国の味方ではない。

これから韓・日間の一触即発の危機がやって来るかも知れない。おそらく2020年東京オリンピック以降ではないか。 オリンピック開催で日本に対する好感が最高潮に達している時、ひょっとして日本は竹島をはじめ韓国にちょっかいをかければどうなるか。 我々の軍事力は対応できるのか。 国際世論はどこに向かうのか。

 安倍さんの議会演説というのは、1919年の第一次世界大戦後のパリ講和会議で、日本が世界で最初に人種差別撤廃条約を提案したことです。 この歴史事実に言及したことが、どうして「大日本主義の復活」「過去史を無視」「再武装を追求」「平和憲法撤廃・改憲」になるのか、またなぜ「征韓論」「大東亜共栄論」に繋がるのか、さらに日本は韓国に「ちょっかいをかける(장난을 치려들다 ―悪戯しようとする)」という話が出てくるのか、ただ首をひねるばかりです。

 日本の安倍嫌い革新系の人々と、発想とか言葉使いがよく似ていますね。 ひょっとしてハムさんは日本のそういった人の発言ばかりに接しているのかも知れません。 安倍総理は日本の最高権力者ですから、どんなに嫌で腹が立とうが、周囲の国はその実体を正確に把握せねば誤判に繋がりかねないと思うのですが。

 韓国のニュースを読むと、我々は「反日」ではなく「反安倍」だと言う韓国人が少なくないですねえ。 なかには、日本の良心的人士と連帯して安倍政権を打倒しようと主張する活動家もいます。 こういった人たちが、日本製品不買運動や日本旅行自粛を呼びかける運動を進めているそうです。 そしてこの運動が7月以降、大成功を収めています。

 日本のビールや自動車を買わない、ユニクロに行かない、日本に旅行しない‥‥ これが何故「反安倍」につながるのか、全くもって首をひねります。 韓国では反安倍が高じて日本の安倍嫌い活動家と共鳴し、かなり主観的・感情的に流されているように思えてなりません。

雑感-GSOMIA問題と『反日 種族主義』2019/12/11

 先月は、①GSOMIA問題と、②『反日 種族主義』日本語版の発刊で、日韓関係のニュースが賑やかでしたね。

 ① GSOMIA問題は多くの人が関心を寄せていて、それなりに的確な解説・論稿も多かったですから、私としては見守るしかなかったところです。 感想としては、韓国側が混乱した様相を呈し、日本側は比較的余裕を持っていたという感じですねえ。

 ところで韓国は日本や米国を相手にする時の発言と、そこから離れて国内向けにする発言とが違うことがよくあります。 だから日米から聞いた話を、自分の都合で勝手に解釈したりします。 例えば今度のGSOMIA問題では、破棄はアメリカが了解したとか、破棄を止めたのは日本が謝罪したからとか‥。 これは自国民に対して、わが国は相手方を動かしているのだ、主導権は我にありと格好よく見せようとしたのでしょう。

 しかしアメリカからも日本からも、そんなことは言っていないとすぐさま反論されました。 これが周囲から、韓国は嘘つきだという印象につながっているようです。 これからこの問題がどう展開するか分かりませんが、当分は日韓関係の修復は難しいでしょうね。

 ② 11月半ばに発売が開始された日本語版の『反日 種族主義』(文芸春秋)。 かなり売れているようで、たちまちベストセラーに上がっています。 私は原本の韓国版の方を購入し、読んでみました。 特に新しい事実は出て来ず、日本の嫌韓論調そのものという感じでした。 嫌韓論者でお馴染みの西岡さんは「名著」と評価していましたが、いくらなんでも言い過ぎですねえ。 韓国で出版したという勇気は尊敬に値しますが、内容はいかがなものでしょうか。

 またこの本は韓国進歩派に対する敵意に満ちていると解説する人がいましたが、これは確かにそう思われます。 おそらく著者たちは、これまで彼らから人格攻撃的な批判を受けてきたのではないかと想像しました。 

 韓国では7月に発売されて、11万部ほどが売れたといいます。 しかし今はもう、その勢いがありません。 だから韓国では一段落したと言えますが、進歩派から著者への激しいバッシングは続きそうです。

 なお反日という点では、韓国では進歩も保守も違いは大きくないことに注意が必要です。 ですからこれからは保守派からのバッシングも起きるのではないでしょうか。 たとえそれが起きなくても、保守派が著者たちを擁護しないのは確実です。 著者たちは韓国で孤立無援となり、日本の嫌韓派からの熱烈な支持だけが残ると予想します。

 ところでこの本は学術書ではなく一般向けに書かれているので、読みやすいですね。 しかしごくわずかですが意味がとれず、韓日辞書にも載っていない単語がありました。

 昔はこういう言葉が出てくると、気になって気になって調べたものですが、このごろは根性がなくなってきたのか、前後から意味が分かればそれでいい、という風になってきました。 それよりも本を読むのが段々と億劫になってきています。 これも人生の一過程で生じた変化=退行でしょうねえ。 最後は私事で終わります。

解放運動の闇専従-森山栄治2019/12/18

 関西電力幹部の金品受領問題のニュースは、私なりに関心をもって読んできました。 この問題の中心人物である森山栄治は、部落解放同盟との関係が取り沙汰されていましたね。 今の部落解放同盟は、森山はもはや我が同盟とは関係ないとしています。

 しかし彼は部落解放同盟福井県連書記長、福井県人権研究員等を歴任し、法務省人権擁護局から感謝状をもらうなど、長年にわたって同和問題に深く関わってきた人物です。  解放同盟と関係はなくなっていたといっても、同和地区出身者の立場を最大限利用して巨大企業の関西電力と高浜町等の行政を手玉に取り、莫大な私的利益をあげたのでした。

 こういう話は西日本でしたら、そうか、彼は同和関係者だったのか、だったらあり得るなあ、という感想を抱く人が多いでしょう。 しかし東日本の人にはほとんど全く理解できないだろうと思います。 もっと詳しい調査報道を期待するところなのですが、まだまだタブー視されている問題ですので、ちょっと難しいかも知れません。

 ところで部落解放同盟中央本部は、この森山栄治についてコメントを発表しています。   http://www.bll.gr.jp/info/news2019/news20191008.html

 このなかで私が注目したのは、次の部分です。

森山氏は、1969年京都府綾部市職員から高浜町に入庁している。1970年部落解放同盟福井県連高浜支部が結成され、福井県内唯一の解放同盟支部の結成ということもあって、部落解放同盟福井県連合会も同時に結成されている。その結成に尽力したこともあって、森山氏は県連書記長(同時に高浜支部書記長)に就任。2年間書記長の要職に就いている。しかし、その言動が高浜町への厳しい指摘であったり、福井県に対する過度な指摘等が問題とされ、2年で書記長職を解任されており、それ以後、高浜町の職員として従事するようになる。

 森山は1969年から高浜町の公務員に就職したのですが、1970年から解放同盟の県連書記長に就任。 そして「2年で書記長職を解任されており、それ以後、高浜町の職員として従事するようになる」となっているところに目がいきました。 つまり1970年から二年間は公務員でありながら、解放同盟という民間運動団体の幹部となり、その間も公務員としての地位を維持していたのです。 そして解同幹部を解任されてから、ようやく公務員としての仕事をするようになったと、解同中央本部が明らかにしたのです。 

 今の人たちでしたら、ほとんど信じてもらえないでしょうが、1970~80年代に、公務員でありながら解放同盟の専従をしている人が多かったのです。 各自治体によって形は違うでしょうが、公務員の給与をもらって解放運動の仕事をしていたということです。 いわゆる「闇専従」ですね。

 公務員ですから一応出勤簿はありました。 ある自治体では、その出勤簿に「職免」のハンコをずらりと押し並べるのです。 職場にはほとんど顔を見せることもありません。 職員名簿があるので職場同僚たちは名前だけは知っているのですが、顔なんて見たことがありません。 事情を知らない新米職員が名簿を見て「この人、誰ですか」と聞いても、「だからアレだよ」と言いながら、口に人差し指をあてて黙っておけと合図する、そんな職場風景が展開されていたのでした。

 別の自治体では、同和地区内にある公民館(解放会館とかいわれていた)の職員として採用されて、実際の仕事は解放運動という人もいました。 こういう職場になると、公務員としての公正性とか中立性とか気にしないで、おおっぴらにやっていましたねえ。

 こんな闇専従が西日本各地の自治体に多くいたのでした。 闇専従はことの性質上、表にはなかなか出てきません。 今度のように、何気ない一言のなかに闇専従が出てきます。

 もう一人、自分の経歴欄に書いた文言から、闇専従者であったことが判明する有名人もいました。 松岡徹(元参議院議員、解放同盟中央書記長等を歴任)。 この人の公式ウェブサイトの中の経歴欄により、大阪市の公務員でありながら解放同盟の専従の仕事をしていたことが明らかになりました。 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2006/05/26/381520      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2008/02/23/2653204     明らかにしたのは拙ブログなのですが、これを公開して間もなく、このウェブサイトの肝心な部分が削除され、やがてサイト自体が閉鎖されました。

 この時代の解放運動の人たちは、運動は自腹を切ってやるものだという思想がありませんでした。 公務員が解放運動の仕事をしていても、それは自分たちが勝ち取ってきた成果のように言っていましたねえ。 

 こんな話をしても今では、まさか、いくら何でもあり得ないでしょ、という反応になるでしょう。 解放運動が猛威をふるった時代でした。

 そんな時代の中で機を見るに敏な森山は、当初は解同幹部として活動しながら企業や行政に解放運動の恐怖を見せつけ、やがて解同から離れて自立し、一人の力で大企業と行政を籠絡していったと思われます。 彼にとって同和問題(解放運動)は人権活動ではなく、私利私欲を図るためのステップだったのでしょう。

【拙稿参照】

闇に消えた公金―芦原病院・同和行政   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2006/04/29/346418

松岡徹さん               http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2006/05/26/381520

これが「真摯に反省」?         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2006/05/27/382079

飛鳥会事件―「心から謝罪」は本当か?  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/02/24/1206080

解放運動に入り込むヤクザ        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/05/04/1482616

同和地区の低学力            http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/05/18/1515064

水平社宣言               http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/07/07/1631798

部落(同和)問題は西日本特有の問題   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/07/14/1652936

解放運動の「強姦神話」         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/07/28/1685192

差別と闘うことへの疑問         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/12/15/2513505

弱者の腐敗               http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/12/29/2534690

松岡徹氏に関する拙稿が役立った     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2008/02/23/2653204

活動家の転落              http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2008/05/17/3518593

差別の現実から学ぶとは?        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/12/19/5589789

同和教育が差別意識をもたらす      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/12/29/5614412

かつての解放運動との交渉風景      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/08/27/6074508

郵便ポストを設置させた解放運動     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/07/07/6502784

同和地区の貧困化            http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/07/29/6525302

「原子力ムラ」は差別語では‥      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/09/22/6580751

解放運動                http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/05/02/7299711

解放運動の力が落ちたこと        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/01/08/7533867

柳田邦男のビックリ部落認識       http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/12/25/8290405

医大の不正入試             http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/03/05/9043516

ある教師の苦悩2019/12/25

 今年最後になりました。 今回は今までとは違うテーマの、個人的体験談です。

 二十年以上前のことですが、元教師と一緒に仕事をして、ちょっと親しくしたことがありました。 学校や教育の世界について、こちらの知らないことを色々教えてくれて、成程そうだったのかと参考になることが多かったです。 そのなかで、生徒の就職について、時にはウソをつくことがあるという話が出ました。

 教師成りたての若かりし頃、生徒には絶対にウソをつくな! 大切なことは黙ってないで話せ!と強く指導していました。 だから生徒の就職についても、学校側は相手方の会社にはウソを書かない、重要なことは知らせるという方針で交渉してきました。

 ある年、癲癇(てんかん)の生徒が就職希望を出しました。 家庭は経済的に厳しいのだが成績や生活態度が優秀なので、いいところに就職できると思い、それなりの会社を回りました。 履歴書には癲癇があると正直に記載し、薬をきちんと服用すれば仕事に差し支えないという医師の診断書を添えて会社回りをしたのです。 結果は無惨なものでした。 教師だけでなく教頭まで会社に出向いて説明・説得しましたが、結局すべてダメだったそうです。

 そして今度はその生徒が学校のせいで就職できなかったと、学校に対して不信感を抱きました。 結局、卒業式にも出てこなかったということでした。 その後、その生徒は遠い所で零細企業のアルバイトで働いているという噂が聞こえてきたといいます。 教師は生徒の一生をダメにしたのではないかと後悔し、それが今でも忘れられないと言います。

 教師はこの体験をしてから、生徒の就職に不利になりそうなことは一切書かないと決めたといいます。 生徒が就職してから、その会社から何故これを知らせてくれなかったのかと抗議が来ても、へー、そうでしたか?! 就職を決めたのはそちらでしょ!と居直り、トボけることにしたと言います。 おかげで堂々と平気でしらを切る人間になったと自笑しておられましたねえ。

 結局は世の中、キツネとタヌキの化かし合い、ということですかねえ。

 ところで「自笑」という言葉は、国語辞書には採録されていないのに驚きました。 自分で自分を笑うとかの意味だと思っていたのですが、そうではなく、そういう言葉自体が日本では使われていないのですねえ。

 なお「自笑亭」は浜松の有名な老舗弁当屋さんの名前で、鉄道関係遺跡の発掘調査でこれが記された汽車土瓶が発見されています。 http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daihyaku17dai.pdf

相次ぐ有名人の性暴行事件2019/12/29

 12月25日付けで今年最後にしようと思っていたのですが、最近、有名人の性暴行事件が相次いで報道されて、ちょっと関心のある私も一筆を簡単に取る次第です。

 詩織事件は、安倍首相に近いとされる山口敬之が犯したとされるものです。 ですから「右」に属する人の犯行ですね。 刑事では容疑不十分となりましたが、民事では慰謝料請求が認められました。 こうなると刑事事件として再度捜査してほしいと思うのですが、どうなのでしょう。 

 広河隆一事件は、彼が発行人を務めていた「DAYS JAPAN」の検証委員会が性暴行を認定し、公表しました。 若い女性らにかなりの不適切な行為をしたようです。 ところで広河は中東や原発関係の有名な報道写真家で、たくさんの賞を受賞しています。 彼を「人権派」と評する人もいます。 右か左かと言えば、「左」に属する人ですね。

 結局「右」も「左」も、下ネタは同じだということです。 ところでこういう話題は、私自身は「左」の方の世界で昔からよく聞いたものでした。 漏れ聞こえる話は噂でしかありませんでしたが、かなりリアリティがあったものですし、活字になったものもあります。

 これまで拙HPと本ブログで取り上げたことがありますので、ご笑覧いただければ幸甚。

活動家によるレイプ事件考    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2008/03/07/2708813

それは泣き寝入りではなく自殺だった http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/08/19/5296007

解放運動の「強姦神話」     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/07/28/1685192

暴力にみる民族的違和感  http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daihachijuunanadai

MeToo:韓国を揺るがす著名文化人のセクハラ暴露  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/02/28/8795521

 なお上記のブログ「それは泣き寝入りではなく自殺だった」のコメント欄に拙稿があります。 ちょっと探し難いようですので、ここで再録します。

高史明という在日の作家がおられます。    私はお会いしたことがないのですが、会った方から話を聞くことがありました。

高さんは、かつて日本共産党員として過激な闘争に参加し、その後もその立場での作家活動をされていました。 しかし、息子さんの自殺を契機に親鸞に帰依され、宗教的な立場に立つようになった方です。     その経歴のためか、彼のもとに左翼活動家たち(元も含む)が、悩みの相談に訪れることが多いということでした。

その悩みの相談で多かったのが、左翼活動内におけるレイプだということでした。      高さんにこのような相談に行ったのは女性活動家でしょうが、彼女たちはどのような気持ちであったのか‥。

連合赤軍事件の死刑囚永田洋子も、活動初期に先輩活動家からレイプされた体験を有していたそうです。   こういう話は、陰でよく聞く割には表にはなかなか出て来ないし、出て来ても無視されるものです。

左翼諸君は、従軍慰安婦問題のような数十年前の旧日本軍のレイプ事件には敏感ですが、現在の身近に起きているレイプには鈍感だ、ということでしょう。