「東方礼儀の国」と「独立門」2020/11/25

 韓国の有力紙『朝鮮日報』11月21日付けに「『東方礼儀の国』は称賛ではなく侮辱の表現」と題する記事が出ました。 https://www.chosun.com/politics/politics_general/2020/11/21/XTJGX6CCFNHALGZQWS6ZOBKPP4/ 

 その日本語版は11月24日付けに出ています。 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/11/24/2020112480038.html

 韓国は自分の国を礼儀正しい「東方礼儀の国」だと自賛しているが、実はこれは「侮辱的な表現」だというのが記事のタイトルです。 関係部分を引用します。

千・元首席は‥‥「東方礼儀の国」という言葉の含意を指摘し、中国に対する正しい認識が必要だということを指摘した。

「韓国人の精神世界において、日本に40年間国権を奪われたことは骨に染みる恥辱として残っているのに、中国の属国として500年過ごしたことは悔しがらない傾向があります。 属国の中でも中国によく仕えて他の模範になるという意味で、中国は朝鮮を『東方礼儀之国』と呼びました。 ところが、これが朝鮮にとってどれほど侮辱的な表現であるかを理解せず、中国の称賛と考える間抜けな人々もまだいます」

 記事では「東方礼儀の国」について触れているのがこれだけです。 これでは何故それが「侮辱的な表現」なのかを説明していませんので、読者は何のことやら分からないでしょう。

 簡単に言うと、朝鮮は中国皇帝の徳を慕って朝貢し礼儀を尽くしている、ということです。 私は7年前に拙ブログで「東方礼儀の国」の意味をもう少し詳しく説明したことがありますので ご笑覧くだされば幸甚。

「東方礼儀の国」は屈辱的な言葉だった  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/11/22/7064872

 ところで朝鮮日報の記事は、ソウルにある「独立門」について、次のように解説しています。

千英宇・元首席は記念演説で「独立門は123年前、日本ではなく中国から独立したことを記念するため、徐載弼(ソ・ジェピル)先生が建てた記念物」だとし「徐載弼先生が、迎恩門と慕華館を取り壊してその跡地に独立門を建てたのは、中国に対する事大と屈従の歴史に終止符を打って近代的な自主独立国家としてよみがえろうという意思を内外に確認させるため」と語った。

 これはその通りです。 実は韓国ではこの独立門の由来を学校では教えていないようで、日本からの「独立」と勘違いしている韓国人が多いです。 独立門はソウルの観光案内書に紹介されており、韓国人が日本人にここを案内することがあります。 そんな時に、独立門の完成は1897年と解説されているので「1897年は日韓併合より13年前。 韓国は日本の植民地にもなっていない。この『独立』というのはどういう意味か?」と問うと、説明できずに戸惑っていたというエピソードをよく聞きました。

 今はどうなんでしょうかねえ。 これが新聞記事になっていることから見ると、今も勘違いしている人が多いのでしょう。

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