韓国の特殊詐欺ニュース(3)2021/02/06

 韓国のハンギョレ新聞(2月5日付)に、特殊詐欺のニュースがありました。 http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/981999.html

 一部を訳してみます。

「お母さん、忙しい?僕のスマホの液晶が壊れて修理に出していて、今パソコンでメールを送っています。 僕のスマホでは認証ができず、お母さんの名前でオンライン文化商品券を購入せねばならなくなったので、お母さんの住民登録証の全部がちゃんと出ている写真を撮って送って下さい。 決済するのにお母さんのクレジットカードと暗証番号も教えてください。」

家族や会社を詐称するメールで金をだまし取るいわゆる「メッセンジャー フィッシング(特殊詐欺)」だ。 最近、このような詐欺事件が急速に増えていて、金融監督院(金監院)が消費者警報の等級「警告」を発令した。 「警告」は、消費者警報「注意」「警告」「危険」等級のうちで中間に該当する等級だ。

5日、金監院の説明を総合すると、メッセンジャー フィッシング詐欺の被害件数は、昨年11月1336件から12月1727件、先月1988件と、最近急速に増えている。 詐欺犯たちは家族を詐称するメールで相手方に身分証の写真を要求して、被害者名義の携帯電話を契約した後に非対面の口座を開設して融資を受けたり、他の金融会社の口座にある残額を振り込んで引き出し、行方をくらます。 クレジットカードや銀行口座の番号、暗証番号などを送れと要求したり、遠隔制御プログラムの設置に誘導し遠隔で携帯電話を操縦して金を奪い取ったりする。

金監院は「過去における家族詐称のメッセンジャー フィッシングは、病院の治療費などの少額を急いで送金してくれという手口を使ったが、最近は家族、知人を詐称して、個人の信用情報を盗んだり、悪性アプリの設置を誘導する手口に代わった。」といい、「被害者の携帯を遠隔で操縦し、資金をだまし取るなどのボイスフィッシング(特殊詐欺)の被害が急増し、消費者警報を発令した」と説明した。

 日本での家族詐称は電話をかけて口頭ですることが多いですね。 いわゆる「オレオレ詐欺」です。 韓国では家族関係の濃密度が違うからか、オレオレ詐欺は少ないようです。代わりに「メッセンジャー フィッシング」という、メールを使って家族を詐称して金をだまし取る手口が急増しているというニュースでした。

 特殊詐欺の手口の違いは、日本と韓国の家族関係の違いを垣間見ることができると思います。

 ところでメールによる特殊詐欺といえば、通販や宅配業者や詐称する手口が日本でも韓国でも多いですねえ。 私のスマホでも時おり来ます。 私は直ぐに削除していますが、アマゾンをよく利用する知人は騙されそうになったと言っていました。

 アマゾンで注文した直後に、アマゾンからと称する連絡メールが来たのですっかり信用して、書かれているままにクレジットカード番号等の情報を打ち込んでしまったということです。 すぐにおかしいと気付いてアマゾンに電話すると、詐欺と判明し、あわててクレジット会社に取引停止したので被害はなかったということでしたが、そのクレジットカードで契約していたものをすべてやり直さねばならなくなって、かなり時間がかかったとボヤいていました。

 この手口の詐欺は、日韓共通ですね。 皆さまもご注意あれ。

【拙稿参照】

韓国の特殊詐欺      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/08/31/9290686

韓国の特殊詐欺ニュース  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/10/01/9300924