在日の低学力について(2)2021/05/05

http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2021/04/28/9371638 の続きです。

 ところで、なぜ在日の子供たちが低学力なのか。 これは部落問題と共通するものがあると考えます。 同和地区の低学力は昔から問題になっていました。 同和教育(解放教育)の先進地では、放課後に学校で勉強を教える(補充学級とか解放学級とか言われていました)取り組みをするのですが、周囲の一般生徒から「あんたら、いいね、タダで勉強教えてもらって」という妬みを言われます。 また当の部落の子からは、補充学級をしている間はクラブ活動ができないから行きたくない言い出すこともあります。 そうすると、その日の学校のすべてのクラブ活動を中止させるところまで出てきました。

 そこまでやっても同和地区生徒の低学力はなかなか解消しませんでした。 活動家の一人が、“親がパチンコ三昧、家ではテレビの前でビールを飲みながら競馬や野球中継を見るばかりで、子供に「勉強しろ!」と叱りつけても子供は勉強しない、まずは親から生活を正さねばならない”と言っていました。 しかし解放運動ではそんな意見を全く無視し、自分たちの生活を省みることもなく、子供たちには狭山闘争なんかの時に学校を休ませていましたねえ。 学校側もそれを容認していました。

 これも当時聞いた話ですが、ある同和教育推進校にいた教師が「同和地区の家を家庭訪問したら家の中に本がほとんどない、親が本を読まないし読もうともしない、部落の低学力要因は社会からの差別というより家庭環境に問題があるのではないか」と発言し、批判を浴びたといいます。

 同和地区の低学力については、14年前に拙稿でも論じたことがありますから、ご参考いただければ幸い。 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/05/18/1515064

 在日の子供らの低学力も、同じように家庭環境に問題があると思います。 朝鮮人は植民地時代末期に男子の就学率50%、女子はわずか10%でした。 従ってその朝鮮から来日した朝鮮人一世たちは、もともと日本語の読み書きができず低学力が多かったのです。 そういう家庭環境が子供たちの低学力につながったと考えられます。

 ただ両親が無学だからといって、子供が低学力になるとは限りません。 私の知っている例では、両親は日本語の読み書きができないのにかなりの高学力の方がおられました。 お話を伺うと、子供の時に学校から帰って母親に今日何があって何をしたかを話したら、母親はどんなに忙しくても話を聞いてくれた、また長女が少し勉強できたのでその姉から勉強を教えてもらったし、自分も弟に勉強を教えてあげた、とかいうことでした。 そこに高学力の秘密がありそうです。 親がたとえ無学文盲でも、家庭環境によって子供の学力は向上するものだと思いましたね。

 差別をなくす運動は、社会の差別体質に対する闘いだけでなく、被差別者側の生活を点検し改めていく取り組みも必要だと考えています。 〝解放運動“にしろ〝民族差別と闘う運動”にしろ、自分たちの生活や家庭環境に問題がないのかを常に問い返しながら進めるべきでしょう。

 「子は親の背を見て育つ」という諺がありますが、その通りと思います。 親がこんな子になってほしいと願っても子はその通りに生きない。 親が安逸な生活をすればそれを見て育つ子も堕落し、親が誠実であれば子も真面目になる。 勉強も同じです。

 子は親の思う通りになるのではなく、親のようになっていくものなのです。 (終わり)

【拙稿参照】

在日の低学力について(1)    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2021/04/28/9371638

同和地区の低学力            http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/05/18/1515064

郵便ポストを設置させた解放運動     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/07/07/6502784

同和地区の貧困化            http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/07/29/6525302

同和教育が差別意識をもたらす      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/12/29/5614412

柳田邦男のビックリ部落認識     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/12/25/8290405

日本統治下朝鮮における教育論の矛盾   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/02/01/1156247

差別問題の解決とは?       http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/07/09/9266205