人を試す質問―731部隊を知っていますか?2023/11/25

 11月20日付け毎日新聞に、「私が思う日本―外国特派員が見た 日韓の歴史認識ギャップ/核議論のタブー視 成好哲氏/デイビッド・マックニール氏」と題する記事がありました。  https://mainichi.jp/articles/20231120/ddm/007/070/104000c 有料記事ですので、関心のある方は図書館にでも行ってください。

 これによれば、朝鮮日報東京支局長の成好哲さんは、日本人に会うたびに「731部隊を知っていますか?」と尋ねるそうです。 主要部分を引用・紹介します。

昨年5月に東京支局長に就任して間もないころ、日本人の知人とのランチの席で、「戦後最悪の韓日関係」をテーマに語り合っていた時のことだ。 韓日は歴史にとらわれず、同じ価値観を共有する国家としてアジアの安全保障と経済に貢献すべきだという結論へ話は向かっていた。 従軍慰安婦、徴用工、BC級戦犯、731部隊など歴史問題が幅広く話題になる中で、知人は問い返してきた。「他は分かりますが、731部隊とは何のことでしょうか」

記者はそれ以降、機会があれば日本人に「731部隊を知っていますか」と質問することにしている。 「分かりません」という答えが大半だ。

2013年、韓国で1枚の写真に「反日」の国民感情が刺激され、物議を醸した。安倍晋三首相(当時)が宮城県東松島市の航空自衛隊基地を訪れ、練習機の操縦席で親指を立てた写真だ。 機体の側面には日の丸とともに、機体番号が「731」と記してあった。

日本人は731部隊を知らない。 しかし、韓国人は記憶している。

記者はいまも日本人に会うと尋ねる。「あなたは731部隊を知っていますか」

 「731部隊」はこれまで日韓間の外交問題に上がったことが全くなく、またこれからも外交問題化する可能性はほとんどありません。 かつて真相究明を求める裁判がありましたが十数年前までにすべて敗訴し、マスコミ報道もほとんどなくなりました。 ですから現在の日本にとってそれほど重要視されるものでもなく、また将来の問題でもありませんから、今の日本人では近代史に関心を持つ者でなければ知らないのが普通でしょう。 安倍さんが乗った自衛隊機の番号がたまたま「731」だったことで、これを昔の「731部隊」と連想する人がいなかったのは、それはそうだろうと思います。

 しかし朝鮮日報東京支局長さんは日本人に会うたびに「731部隊を知っていますか?」と質問します。 これは「731部隊」について、 〝自分はこの歴史をよく知っている、相手は歴史に無知のようだからこういう質問をしてやろう"という意図があるものです。 そしてどういう答えをするかによって相手を見極めようとする質問です。 要は、〝人を試す"ものなのです。

 このブログでも、かつてはこういう〝人を試す"質問がよく来たものです。 「強制連行とは何か?」「日韓併合は不法か?」「関東大震災で朝鮮人が虐殺されたことが事実だったか捏造だったか?」のような質問です。 自分は正解だと思う答えを持っていながら〝相手がどう答えるかを試してみよう、こちらに反する答えが返ってくればそれをネタに攻撃してやろう"と待ち構えているのです。 こういう〝人を試す"質問は答える方がただ消耗するだけで、意味がないです。 こういう質問者に〝もっと勉強してください"とか反問すると、逆切れされるのが常ですね。

 ただ大学などで教官が学生に、ちゃんと調べたのかどうかを確認するために〝試す"質問をすることがあります。 しかしこれは師弟間における指導・被指導で、信頼のうえに成り立つ上下関係があるから意味があるのです。

 朝鮮日報東京支局長さんの「731部隊を知っていますか?」は、〝自分たち韓国人は歴史の真実を知っている、しかしあなたたち日本人は歴史の真実を知らない"として見下しているようなので、私なんかはちょっと不愉快になりますね。

コメント

_ 海苔訓六 ― 2023/11/25 08:37

北野武さん(ビートたけし)がHANA-BIで賞をとったときのインタビューで小学校時代に学級長を選出する選挙があって、担任の先生は「民主主義なんだ。誰でも自由に推薦しなさい」と言ったので、
クラスで一番素行の悪い不良生徒を推薦したら
「馬鹿なことをするな!」とぶん殴られた思い出を話してました。
「予め一定の結論は決めてやがるクセしやがって、手続きだけは踏もうとする。どこが民主主義なんだか?さっぱり分からねぇ」と言っていたのを覚えています。
今回のブログ記事読んでいて唐突にそのインタビューを思い出しました。
まあ北野武さんのケースは先生と生徒という師弟関係が前提なので、担任の先生が予め一定の結論は決めておいた上で生徒を指導するというのは間違ってないとは思いますが。

_ 竹並 ― 2023/11/25 19:22

「デイビッド・マックニール」って、こういう人ですね。
     ----- ↓ -----
デイビッド・マクニールはアイルランド人のジャーナリスト、学者、反日-左翼活動家。
元々は学者であり、英国、中国で教えたことがあるが、2000年に来日して以来、フリー・ジャーナリストに転向し、主にエコノミスト誌、ジャパン・タイムズ紙、アイリッシュ・タイムズ紙などに寄稿している。
その主張は「慰安婦問題」「南京虐殺」など歴史問題で日本を徹底的に批判し、中国、韓国に謝罪し続けるよう強要するもの。
その他、沖縄の米軍基地に反対し、恰(あたか)も「沖縄独立」を煽るような主張を展開。
捕鯨、イルカ漁問題でも日本を批判し、海外の活動家を日本に呼び込む要因ともなった。
     ・・・・・
マクニールが日本に関心を持った理由は、「パレスチナ問題」との連帯だったとされる。
IRAはグローバリストで、パレスチナ解放機構やヒズボラなど、海外テロ団体とも共闘していた。
多分、同じくパレスチナとの連帯を試みた「日本赤軍」に強い関心を持ったのだろう。

日本への留学を経て、英国で大学講師をしていた頃、左翼的な「日本女性」と結婚し、中国を経て日本に流れてきた。
再来日-直後、日本語もままならないのに、ラジオDJの仕事をするようになったのは、日本人妻の尽力があったからである。

マクニールがジャーナリストになる足がかりとなったある事件がある。
「FM さがみ」でDJをしてきた頃、石原都知事の「南京大虐殺」否定発言をラジオで批判し、右翼に怒鳴り込まれたことがあった。
ラジオ局のプロデューサーは番組で謝罪するよう促したが、マクニール夫妻は拒否。
結局、それが原因で番組が終了した。
その体験談をネットで書いたところ、海外から反響を呼び、M.E. Sharpeの著作『Bamboozled!』にも取り上げられた。
その後、「日本の右翼と闘う」ことを使命としてジャーナリスト人生を踏み出したとされる。
     ・・・・・
ジャーナリズムを悪用したマクニールの問題報道や行動は以下の通りである。
    (リストあり)
     ・・・・・
http://blog.livedoor.jp/catnewsagency/archives/9181368.html

_ (未記入) ― 2024/01/25 20:12

デイビッド・マックニールは有名な日本の共産主義活動家の娘と結婚し、それで日本に来た活動家ですね。ジャーナリストは仮の姿です。

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