韓国の特殊詐欺ニュース ― 2020/10/01
9月24日付け『朝鮮日報』で、特殊詐欺のニュースがありました。 https://www.chosun.com/national/national_general/2020/09/24/3PQ74OSLDJAK7CO3IPL24ZBYFY/ 翻訳してみます。 直訳ですので、日本語としてちょっと変なところがあります。
偽の検事室を準備して「画像フィッシング」…遺産・貯金など1億4500万ウォン(約1300万円)むしり取る
ソウル中央地検ユン・ソンホ捜査官です。 お使いになっている市中銀行の通帳が犯罪に巻き込まれています。
去る7日午前、Aさん(25)がかかってきた「発信番号表示制限」電話を受けた時、受話器越しに男がこのように話した。 続いて「〇〇〇さん(Aさん)の通帳が組織詐欺事件で使用されたのか、共犯なのか、情報を盗まれて被害者なのか、明らかにするために検察の捜査を受けなければなりません。」と言った。
Aさんがボイスフィッシングを疑おうとした時、男は「担当検事に繋げますから、無実であることを立証しなさい」と言った。 続いて電話が太い声の男に替わった。 男は高圧的な声で「ソウル中央地検の反腐敗捜査1部、ソン・ジェホ検事」と自己紹介した。 彼は事件概要を説明しながら「主犯をはじめ詐欺組織員28人が検挙された」と言い、「捜査状況を他人に漏らせば“証拠隠滅を試図した”と見なして、48時間拘束して操作することができる」と言った。 次に“ソン・ジョンヒョン検事”という女検事が登場した。
それからも10人余りが電話・カカオトークで連絡をしてきた。 「画像公証」をすると言って、映像通話を通して自分たちがいる「検事室」内部を見せてやり、検事たちの署名・捺印がある公文書を送った。 Aさんの携帯電話に「法務部公証アプリケーション」もダウンロードするように指示した。
実はこれらは全て偽だった。 検事室はボイスフィッシング一党がでっち上げた場所で、「公証アプリケーション」の実際の機能はAさんの携帯電話の使用内訳の一切を一党にリアルタイムで電送するものであった。
しかしAさんはこれに騙されて、三日間ソウル市内の銀行10余ヶ所を回り、1億4500万ウォンを引き出し、「内部捜査担当官」という男性らに直接渡した。 母親の遺産をはじめ、Aさんが7年の間貯めた請約通帳(貯金すれば住宅等が優先的に購入できる)、積立金、保険など全財産だった。 Aさんは「私がボイスフィッシングに騙されるとは夢にも思わなかった」と言った。
詐欺劇は9日、家に帰ったAさんが「騙されている」と確信を持って、隣家の電話を借りて警察に通報して終わった。 次の日に一党がかけてきた最後の電話は「警察に通報したために現在まで進めた略式取り調べは取り消して、直接検察庁に出て来なければならない」というものだった。
この事件を捜査中であるソウル江東警察署は23日「Aさんを騙したボイスフィッシング一党中、一人を京畿道南部の某所で検挙し、防犯カメラ分析などを通して、残りの組織員たちを追跡している」と明らかにした。
手の込んだ特殊詐欺事件ですね。 日本にも、いずれこんな手口の特殊詐欺が現れるのかも知れません。
ところで韓国ではオレオレ詐欺がないようです。 息子や孫に偽装するのが難しいのは、やはり家族関係が濃密な民族性なのでしょうかねえ。
【拙稿参照】
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