「三韓」は朝鮮でも使っていた ― 2007/05/25
朝鮮半島の地名としての「三韓」は日本だけに用いられ、朝鮮では用いられなかったと論じたことがあります。
ところが『高麗史』に1122年の睿宗(高麗第16代国王)崩御の記事中に下記の記録がありました。
「遺詔して曰く、朕天地の景命を荷い、祖宗の遺基を奉じて、三韓を奄有すること十有八歳」
この「三韓」は高麗領土全域のことで、睿宗はその遺言のなかで「三韓」を18年間治めてきた、と言っています。 ということは、朝鮮半島を「三韓」と称することは、朝鮮史上でもかなり古くからあったということです。 日本だけで使われていたという言説は誤りでした。
ところで「三韓」とは、もともとは馬韓、弁韓、辰韓のことで、朝鮮半島南部地域です。 これが後に高句麗、百済、新羅の三国を意味するようになり、朝鮮半島全体を指すことになります。 この経過がよく分からないところです。