外国人が日本名(通名)を使う理由2012/11/23

 数年前に韓国から来日したイ(李)さん。ある日、自分のことを「田中」という名前を使ったので、何故かと問うたところ、次のように答えてくれました。

 特に電話のときに、「はい、イです。」 と言っても、「はあ?」「だからイです。」「はあ?」「名前がイなんです。」 「リーさんじゃないのですか?」「リーじゃありません。イです。」 こんなやり取りが何回もあったんですよ。ある時、当時住んでいたところが「田中」だったので、「田中に住んでいるイだ。」「田中です。」と言ったら、すぐに通じたんです。それで、それから「田中」という名前を使うようになったんです。これで、名前で「はあ?」と言われるような、嫌なことが無くなりました。

 日本語では、イ(李)さんのように一音節の場合、名前だと認識するのが難しいものです。「イイ」「リー」と二音節にすれば名前と認識できますが、それでは本来の「イ(李)」という名前とは全く違う名前になってしまいます。「イ(李)」もどきの名前は、かえって違和感・抵抗感が大きくなるようです。

 結局は、日本名(通名)を使うことによって、名前に関して繰り返される嫌な体験から解放されたということでした。

 外国人の通名使用について反対する人が多いようですが、それぞれ色んな事情があるのですから、一概に反対すべきものではないと思います。

【参考】  「外国人の通称名はワガママか 」 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2006/09/09/516945