産経のコラム考2019/01/13

 2019年1月12日付けの産経新聞のコラム「産経抄」は、韓国から“極右”と名指しされる新聞にふさわしい記事ですねえ。 全文を引用しますと、

ふと「盗人(ぬすっと)猛々(たけだけ)しい」という言葉は、韓国にもあるのだろうかと気になった。調べると「賊反荷杖(チョクバンハジャン)」がそれに当たるという。泥棒が逆ギレし、あべこべに鞭(むち)を振り上げる様子を表す。文在寅大統領が10日の記者会見で、いわゆる徴用工問題をめぐり日本を批判するのを見て連想した。 

「韓国側の責任を日本側に転嫁しようというものだ」。菅義偉官房長官は11日の記者会見で、文氏の発言に強く反論した。文氏は自ら問題を起こしておきながら、反発する日本政府を「賢明でない」と決め付け、「謙虚になる」ことを求めてきたのだから当然である。

哲学者、ニーチェは指摘している。「癇癪(かんしゃく)を起こし、他の人々に侮辱を加えておきながら、自分のことを悪く取らないでもらいたいと要求する人々がいる」。一般論で言えば、友人にも隣人にもしたくないタイプである。 

海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射の件でも、韓国は非を認めようとせず、逆に日本に謝罪を求めてきた。韓国メディアには「支持率が落ちている安倍晋三首相が国内世論のためにあおっている」との論調が目立つ。とにかく、被害者の立場に身を置かないと気が済まないのだろう。

民主党政権時代の平成24年8月、当時の韓国大統領、李明博氏は日本政府の制止を無視して竹島(島根県隠岐の島町)に上陸した。そして数日後、こう言い放ったことが忘れられない。「国際社会における日本の影響力は以前ほどではない」。 

めざましく経済発展し、世界に注目された頃ならばともかく、落ち目の日本に気を使う必要はないという本音だろう。強い者に弱く、弱い者にはとことん強い。そんな国が相手であれば、力を見せつけると同時に、さらに強くなるしかない。

https://special.sankei.com/f/sankeisyo/article/20190112/0001.html

 今の日本では、この論調に対して共感する人の方が多いように思われます。 日韓の対立は国民感情にも深まってきているようですね。 日本における韓流ブームや韓国への観光客数が今後どう変化するのか、注目するところです。

 このコラムで「韓国メディアには『支持率が落ちている安倍晋三首相が国内世論のためにあおっている』との論調が目立つ」とあるのはその通りで、もし安倍政権が黙っていれば支持率はおそらく下がることでしょう。 一方、だんまりを決め込んでいる野党の支持率がどうなるか、見てみたいものです。 やはり野党は韓国に遠慮しているのですかねえ。 あるいは安倍政権を批判する韓国に期待しているのでしょうか。

 ところでこの産経抄、最後に「そんな国(韓国)が相手であれば、力を見せつけると同時に、さらに強くなるしかない」と、すごく勇ましい発言です。 「力を見せつける」「強くなるしかない」といっていますが、それは軍事力なのか経済力なのか。

 李明博大統領が「国際社会における日本の影響力は以前ほどではない」と言い放ったとありますが、これは根拠あることです。 日本は失われた20年の停滞の間に、アジア各国は急成長しました。 その分、日本の国際的地位は低下したのです。

 そしてこの地位低下はこれからも続きます。 なぜなら日本は安倍政権下の経済が好調だといっても年1%台の成長率。 しかし中国は経済が落ち目になってきたといっても6%台、韓国も文政権で雇用悪化など経済指標が悪いなどと言われながらも2%台の成長率です。

 また、日本の軍事力は1990年代までは世界3位、その後ソ連が崩壊して2位だなんて言われていましたが、今は順位をぐっと落として6位です。 そしてこれから更に順位が落ちていく見通しだそうです。 何しろアジア各国の経済の発展はすさまじく、それとともに軍事力も日本をはるかに上回る成長を遂げているからです。

 安倍政権は軍事国家を目指しているという批判がありますが、このような状況から考えてみると批判は的外れでしょう。 日本は軍事を拡大しているといっても、その増加率はアジア各国のそれには及ばないのです。

 日本は経済力でも軍事力でも20年以上前まではアジアで唯一の大国でしたが、今はいくつかある大国の一つに過ぎなくなったということですね。 とすれば、右側の「力を見せつけると同時に、さらに強くなるしかない」という主張も、左側の「日本軍国主義復活論」も、かつて唯一大国だった時代のノスタルジーにしか過ぎないように思えます。

(追記)

 韓国の軍事費についてはハンギョレ新聞が報道しています。 http://japan.hani.co.kr/arti/politics/32539.html   今後5年間で27兆円、増加率が年7.5%ですから、日本の防衛費(年約5兆円)を上回る勢いです。 しかし日本の革新・左翼系の諸君は、安倍政権が軍事国家を目指していると批判しながら、韓国には全く目をつぶっているのが不思議ですねえ。

 また産経コラムのように日本が「力を見せつけると同時に、さらに強くなる」としても、韓国には及ばないことになります。 そして韓国が「落ち目の日本に気を使う必要はないという本音」は、これからも続くだろうと見通すことができます。

【拙稿参照】  予想が外れたのもあります。 お恥ずかしい限り。

韓国では日本の存在感はない    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/02/17/8789342

新大統領は「反日」を緩めるかも   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/03/15/8406228

文在寅さんの10大公約        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/05/09/8550375

コメント

_ 河太郎 ― 2019/01/14 11:56

>かつて唯一大国だった時代のノスタルジーにしか過ぎないように思えます。

トランプの登場により、世界はかっての帝国主義時代のように、自国の身は自らで護るしかないとの概念の必要性、切迫性を平和ボケの日本人にも思い起させているでしょう。

ノスタルジーは過去の栄光を懐かしがるだけの犬の遠吠え、敗北主義ですが、今の日本はその猶予を許さない世界情勢の中にあります。平和ボケした日本人にも覚醒を迫る世界となっています。

今の日本には現下の脆弱な世界情勢に対処するだけの気概と経済力と科学技術力はまだ残っています。


>そして韓国が「落ち目の日本に気を使う必要はないという本音」は、これからも続くだろうと見通すことができます。

「落ち目の日本に気を使う必要はないという本音」----是非それを公言して欲しいものですね。

人口は日本の半分しかない韓国、GDPは日本の3割の韓国、ノーベル賞は平和賞のみの韓国、
国産ロケットを未だに飛ばせない韓国、なのですね。

落ち目の日本だと夜郎自大になっている間は安心ですね。

まかり間違っても、日本にスワップ協定の締結を申し込むことなどないでしょうね。
就職難の韓国人大卒者の日本就職を韓国政府が奨励することはないでしょうね。
毎年2兆円超の対日赤字の元凶である日本製先端工業製品部品の輸入を中止して、韓国産の部品で組み立てた韓国オリジナルの自慢の輸出品でやっていくのでしようね。

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