韓国では日本の存在感はない2018/02/17

 韓国の中央日報2018年2月13日付けに、韓国の対日外交姿勢を示す興味深い記事がありました。  http://japanese.joins.com/article/556/238556.html?servcode=A00&sectcode=A10

与正氏には食事接待4回、ペンス氏には1回、安倍氏は0回

北朝鮮代表団に対する食事接待は9日のレセプションを除いても4回だった。10日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の昼食会に続いて夕食会は趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官がもてなしたほか、11日の昼食会と夕食会はそれぞれ李洛淵(イ・ナギョン)首相と任鍾皙(イム・ジョンソク)大統領秘書室長が主宰した。

 金与正さんは北朝鮮の最高指導者である兄金正恩の名代でした。韓国では二泊三日の滞在で、韓国政府の要人から四回も食事接待を受けました。 次はアメリカです。

文氏はペンス氏も2泊3日(8~10日)の間に4回会ったが、その内容には違いがある。会談および夕食会(8日午後6時30分~9時14分)、レセプション(9日午後6時39分~44分)、開会式出席(9日)、女子ショートトラック競技観覧(10日午後7時43分~8時20分)などだった。

 ペンスさんはアメリカ副大統領で、二泊三日の滞在中に韓国政府から食事接待されたのが8日の夕食会の一回だけでした。 それでは次に日本です。

4強(日米中露)首脳のうち、唯一開会式に参加した安倍氏とも円滑ではなかった。開会式とレセプションを除けば、文氏と安倍氏は9日に1時間会談したのがすべてだ。安倍氏に対する韓国政府の高位要人の食事接待もなかった。特に、会談後の青瓦台の発表で公開的な行き違いも明らかになった。

 安倍さんは一泊二日で、食事接待はありませんでした。 安倍さんは日本の最高権力者で、米中露等の主要国や北朝鮮が二番手、三番手を派遣したのとは格が違います。 それでも韓国政府の要人は一人も、安倍さんと食事を共にしようとしなかったのです。

 以上の食事接待の回数からして、文在寅政権の外交の重点がどこにあるかを如実に示しています。 要するに韓国は、日本をあまり重要とは認識していないのです。    ここから文政権はこれまで慰安婦問題や天皇訪韓希望など、対日外交に一貫性がないというか、行き当たりばったりであることが理解できます。 だから反日に徹底することもないのです。 つまりそれ程に文政権には日本は軽い存在というわけです。

 日本では嫌韓雑誌等で、韓国はどれほど反日であるかを繰り返し論じられていますが、実は韓国は日本をそれほど気に掛ける存在とは考えていないことを示しています。 逆に安倍さんなどは韓国を「重要なパートナー」とか「日米韓の強固な連携」とか言ってラブコールを送っていますが、韓国側は日本について優先順位を高くせねばならない国ではないのです。

 韓国が日本を重要視していないことは、この中央日報の記事の続きに次のように記されていることからも判明します。

青瓦台高位関係者は10日、記者団と会い、「首脳会談で安倍氏が『韓米合同軍事訓練を予定通りに進めるのが重要だ』と延べ、文氏は『内政に関する問題を安倍氏があれこれ言ってもらっては困る』と答えた」と明らかにした。記者が質問したわけでもないのに、「首脳会談に対して追加で申し上げることがある」としてこのように紹介したのだ。

反面、日本政府当局者は首脳会談ブリーフィングの際、「韓米合同軍事訓練関連の言及はあったか」という質問に「両国が北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めようということで意見が一致した。これ以上の対話は公開できない」とだけ述べた。首脳間の対話を行った片側が、一方的に内容を公開するのは、外交慣例上あまりないことだ。外交消息筋は「マスコミの報道が先に出てきたわけでもなく、青瓦台が該当内容を自ら公開したため、日本側では安倍氏を恥さらしにしようとしたと受け止められる素地がある」と懸念した。

 安倍首相・文大統領の会談の中で出た意見の対立について、日本側は黙っていましたが、韓国側は公開したのです。 首脳会談内での対立は、普通は双方の了解なしに外部に明らかにしないものなのですが、韓国側は一方的に暴露しました。 ここからも韓国が日本をどれほど軽く見ているかを知ることが出来ます。

 従って韓国政府は対日外交の明確な方針を打ち出すこともなく、国内の反日意見が強くなればそちらになびき、日本が弱気と見ればつけ込み、日本が強気になればそれに合わせ、国際的圧力を受ければ関係改善に乗り出す‥‥と、一貫性のない外交を展開するものと、私は予想しています。 反日一辺倒にすらならないでしょう。

【拙稿参照】

韓国が天皇訪韓を望む!?-朝日インタビュー http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/09/23/8681910

慰安婦合意の検証 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/12/31/8758841

新大統領は「反日」を緩めるかも http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/03/15/8406228

『韓国はどれほど日本が嫌いか』  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/08/02/6931411

『韓国はどれほど日本が嫌いか』(2) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/08/04/6934273

韓国の反日外交の定番      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/01/22/7546410

慰安婦問題―韓国政府には当事者能力がない http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/03/09/7586932

やはり韓国政府には当事者能力がない―慰安婦問題 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/11/13/7906094

慰安婦問題の日韓合意は混乱を呼ぶか http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/01/02/7968787

コメント

_ 小川 ― 2018/02/18 10:28

記事を興味深く読ませていただきました。4強(日米中露)首脳のうち、唯一開会式に参加した安倍氏に一度も食事接待なしだったのですね。敵対する国の要人だとしてもおもてなしの心で接する日本人のメンタリティからすると理解できない対応と思いますが、世界の国が安倍総理に注目する中で韓国だけは世界から孤立する道を歩んでいるんだなあとも感じます。韓国にも自由民主の保守派がたくさん居ると思うので最終的には文大統領舵取りも困難な状態に陥いるものと推測します。

_ 海苔訓六 ― 2022/03/23 19:46

韓国のゴルフ選手が国内ツアーでかせげるようになってきたので日本に来なくなったそうです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e66ce1a1da5ca21eefae1a05869848d312aab380
●2012年:22試合(賞金総額約11億2800万円)
●2022年:33試合(賞金総額約30億5000万円
こういうニュース見ると、確かに韓国経済が発展していることが分かりますね。
自信を付けて、日本のことを軽んじている。という感覚が理解できます。

_ 海苔訓六 ― 2022/03/27 16:46

ゴルフのコメント書いていたら経済成長と国威発揚目的のスポーツ投資の相関がどんな感じになっているのか?興味があったので少し調べてみました。
https://honkawa2.sakura.ne.jp/3981.html
日韓比較に限定して2000~2021年までの約二十年間の傾向で見てみると、韓国(とドイツ)は経済成長に比例してオリンピックにおけるメダル獲得数が漸次減少傾向にありますが、反対に日本は経済成長に比例してオリンピックにおけるメダル獲得数が漸次増加傾向にあるという真逆の結果になってます。
これは、後進国時代の韓国は国威発揚目的で税金をオリンピック選手強化に集中的に投資してきたのが、先進国になったので経済成長の方に優先して税金を回すようになり、不足分は民間企業のスポンサーで賄うようになった。

反対に日本は民間企業頼みのオリンピック選手強化傾向に批判が出ていたのでナショナルトレーニングセンターを創設して国を挙げて選手強化するようになった違いの現れではないかと感じます。
先のコメントで挙げましたが韓国国内のゴルフ賞金大会の総額が十年で二倍近く増えていることからも、スポンサーになる韓国企業が成長していることが分かります。
バブル経済全盛期の頃は日本もアメリカのことを軽く見て調子にのっていた面もあったと思いますが、今現在の韓国がそんな感じなのかな?と思いました。

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