人権派ジャーナリストの性暴力事件2019/02/01

 人権問題に積極的に取り組んできたジャーナリストである広河隆一が、かなりの性暴力をしてきたことが暴露されて、話題になっています。 http://bunshun.jp/articles/-/10144

 事件そのものはかなり以前のことのようですが、世界的なMeToo運動などの影響によって、今ようやく明るみに出たと思われます。 勇気を出して告発された女性を応援したいと思います。

 ところで人権活動家によるこういう話は昔からあるもので、私も時々聞きました。 拙HPとブログでも10年ほど前ですが、紹介したことがありますので、ご笑覧いただければ幸甚。

活動家によるレイプ事件考        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2008/03/07/2708813

それは泣き寝入りではなく自殺だった http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/08/19/5296007

解放運動の「強姦神話」         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/07/28/1685192

暴力にみる民族的違和感       http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daihachijuunanadai

 人権団体における性暴力・セクハラ事件は、古い話かも知れませんが、もっと明るみに出す必要があると考えます。

Me Too:韓国を揺るがす著名文化人のセクハラ暴露  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/02/28/8795521

ありふれて当然だったことは忘れられる(男がおむつを洗う)2019/02/08

 戦前の庶民生活の記録を読むと、男が赤ちゃんのおむつを洗っていたことが出てきます。 今は赤ちゃんのおしめは紙おむつがほとんどですが、ちょっと前までは布おむつでした。 都会の長屋の洗濯場ではたくさんの布おむつが洗われ、各家では洗濯物ハンガーに布おむつがずらりと並べて干されている風景が見られました。 雨が続くと外で干せませんから室内の天井につるして、その下で親子がその匂いを嗅ぎながら寝るのは日常風景でした。

 そのおむつの洗濯を戦前の男がしていたのです。 「貧乏人の子沢山」という諺があるように、子供が多過ぎて母親では間に合わないから父親もやらざるを得なかったと思ったのですが、実際の体験者から聞くと、そうではありませんでした。 

 戦前の男は大体みんなが徴兵にとられており、そこでは各自の洗濯を自分ですることを厳しく躾けられていたのです。 だから戦前の男は洗濯に対して抵抗感なく自分でやっていたのでした。 妻が忙しくて洗濯が出来ないなら 夫が代りに洗濯するのはごく当然だったのでした。 男がタライの横にしゃがんで洗濯するのは軍隊時代に躾けられていたからであって、これが戦前の庶民の生活だったのです。

 戦前の庶民の男性は、おむつの洗濯にためらいなく平気でやっていたというのは事実です。 男が赤ちゃんのおむつを替えたり洗濯する姿に社会が違和感を感じるようになったのは戦後のことで、ここ数十年前からの新しい現象と考えられます。

【拙稿参照】

ありふれて当然だったことは忘れられる(嘗糞) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/01/20/9026936

文喜相議長の天皇戦犯・謝罪要求発言2019/02/14

 韓国の国会議長がアメリカのマスコミインタビューで、天皇に謝罪を要求する発言をし、それに対して日本の安倍首相や河野外相が発言を撤回せよと反発したところ、議長が居直り、ちょっとした騒動になっています。

https://twitter.com/nhk_kokusai/status/1095648485976694784

韓国のムン・ヒサン国会議長は、慰安婦問題で天皇陛下が謝罪すれば解消されるなどと述べた自身の発言に対し、日本政府が謝罪と撤回を求めていることについて、「なぜこのように大きな問題になるのか、到底理解できない。 謝罪することではない」などとして拒否しました。

 その前にこの議長さん、このインタビューで「天皇戦犯」論を開陳し、それが問題視されると、随行者がそんなことは言っていないと反論したところ、当マスコミが実際の音声を公表し、本当に言っていたことが明らかになりました。

https://www.asahi.com/articles/ASM2D7T8KM2DUHBI03D.html?ref=tw20190213

韓国の文喜相(ムンヒサン)国会議長が米ブルームバーグ通信とのインタビューで、天皇陛下が元慰安婦に直接謝罪をすれば慰安婦問題を解決できると話した際に、「その方(天皇陛下)は戦争犯罪の主犯の息子ではないか」と語っていた。 同通信が12日までに公式サイトでインタビュー音声の一部を公開した。

同通信は文氏に対するインタビュー記事を8日に英語と日本語で配信した。 インタビューに同席した国会報道官は9日、朝日新聞の取材に「他の同席者にも確認したが、文氏は(天皇に関し)『戦争犯罪』という表現は使っておらず、『戦争当時の天皇の息子』と述べたと思う」と説明し、同通信が引用した「戦争犯罪の主犯の息子」という発言はしていないと否定していた。

公開されたインタビューの音声は約18秒。 「(謝罪をするのは)日本を代表する天皇がされるのが望ましいと思う。 その方はまもなく退位すると言われるから。その方は戦争犯罪の主犯の息子ではないか。 だから、その方がおばあさんの手を握り、本当に申し訳なかったと一言言えば、すべて問題は解消されるだろう」と語っている。

 国会議長ですから三権の一つの最高地位者です。 つまり韓国を代表して外国で行なった発言ですから、重みが全く違うものです。 その方が天皇戦犯論と謝罪要求を言い出し、これがちょっとまずいと思ったのか、随行者がそのことは言っていないと反論したところ、実際の音声が公開されて恥をかいたと思っていたら、今度は当人がなぜ悪いと居直ってしまった、という展開です。 恥をかいたとは思っていないのですね。

 7年ほど前に当時の李明博大統領が同様の発言を行なって、日韓関係が大きく損なわれたことがありました。 今回はそれに次ぐことになるかも知れません。

李大統領の発言        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/08/18/6546033

 また文在寅政権では一昨年、日韓関係発展のために」天皇訪韓を望む発言をしています。 これは首相、外相、駐日大使という複数の政府要職者の発言ですから、政権内でかなり真剣に議論されたようです。

韓国が天皇訪韓を望む!?-朝日インタビュー http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/09/23/8681910

 それなのに今度は国会議長が天皇戦犯論を発言し、大統領はじめ政権がこれに何の対処もしないのです。

 韓国の新聞を毎日読んでいますが、韓国では何故これが問題になるのか、理解が出来ない雰囲気のようです。 日本を怒らせても大したことではない、いずれ日本は我が国にすり寄ってくる、と考えているみたいです。

韓国国会議長、日本側反発に“戸惑い”も https://mainichi.jp/articles/20190213/k00/00m/030/209000c

【拙稿参照】

李大統領の発言        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/08/18/6546033

韓国が天皇訪韓を望む!?-朝日インタビュー http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/09/23/8681910

『朝鮮日報』李河遠記者の天皇戦犯論   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/08/24/6553068

『朝鮮日報』記事に出てくる若宮啓文のコラムとは http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/11/18/6636750

大坂なおみの国籍選択2019/02/20

 テニスで世界の頂点を極めた大坂なおみは現在日米の二重国籍だそうで、22歳になる今年の10月までに国籍選択をせねばならず、日米のどちらの国籍を選択するのか、これがちょっと話題になっているようです。

 彼女は日本で生まれ3歳まで日本で暮らし、その後アメリカに移住しました。 母親が日本人です。 日本に縁のある人、しかも日本国籍者ですから、私も応援したいものです。    ところで彼女の国籍については彼女の経歴からかなり推測できますが、日米両国における身分事項の公文書(戸籍等)がなければ確実なことは分かりません。 今のところ確からしいことは、日米の国籍法により二重国籍であることだけです。 

 彼女は日本人として国際大会に出場していますから、日本旅券の発給を受けて、これを使用しているものと思われます。 もう一つの米国の旅券が発給されているのか、そしてこの米国旅券を行使したことがあるのか、そこが分からないところです。

 つまり二重国籍でも日本旅券だけで行動しているのか、それとも両国の旅券を使い分けながら行動しているのか。 そこがポイントとなると思うのですが、それが不明なのです。

 なぜそれがポイントかというと、彼女が日本旅券だけで行動していたら、おそらく国籍選択する必要がないと思われるからです。 その理由を述べます。

 国籍の認定は各国の主権行為です。 ですから大坂が日本国籍を有しているかどうかの判定は日本政府だけが有する権限です。 しかしもう一つの国籍である米国籍について、その有無を判定する権限は日本政府にはありません。 それは米国政府だけがなし得る権限です。

 彼女が米国旅券も有していて日本国内でそれを行使(米国旅券で日本入国する等)したら、日本政府は彼女の米国籍を確認することになり、二重国籍と判明します。 しかし彼女が日本旅券だけを行使していたら、米国籍を有しているかどうか日本政府は確認できません。 なぜならその確認は上述のようにアメリカの権限であり、日本が出来るものでないからです。 

 つまり大坂の二重国籍は彼女が日本旅券だけを行使している限り、日本政府は彼女が二重国籍か否かの確認が出来ず、従って日本国籍法違反であるかどうか不明となります。 従って彼女がこれからも日本旅券のみを行使するのなら、日本政府は彼女に国籍選択を迫る法的根拠がないということになります。

 しかし先ほど申しましたように、もしも彼女が米国旅券の発給も受け、更にそれを日本国内で行使したとしたら、日本政府は彼女の二重国籍を確認することになりますから、国籍法に基づき国籍選択をしてどちらかの単一国籍にするよう要求する法的根拠を得ます。 それでも彼女がその要求に応じずに二重国籍のままでいると、その時こそ日本政府は彼女の日本国籍を剥奪できることが国籍法で定められています。

 ところで、そもそも二重国籍の選択に関しては本人の主体的な選択に任せるべきものであって、周囲がとやかく言うべきものではありません。 二重国籍者はどちらかの単一国籍者として国内で行動することで一貫していれば、何の問題もありません。 問題になるのは、ある時はこっちの国籍、別の時はあっちの国籍と自分に都合よく二つの国籍を使い分けることです。

 それは2年ほど前に話題になった蓮舫の二重国籍問題も同じことです。 蓮舫は、17歳の日本国籍取得後は日本単一国籍者としての行動(日本旅券のみを行使)をしていますので、本来は問題にする程のことではありませんでした。

 それに蓮舫の二重国籍といっても、もう一つは台湾籍でした。 日本は台湾を国家承認していませんから、台湾籍は国籍として取り扱うべきものではないでしょう。

 例えば日本人が台湾に自らの意志で帰化しても、台湾籍は日本にとって国籍ではありませんから国籍法第11条に基づく日本国籍喪失はないはずです。 また一方、私のところに来た相談事例では、成人になってから韓国籍を回復(日本では外国籍取得となります)した方が日本国籍を喪失していましたねえ。 日本は韓国を国家承認していますから、韓国籍は日本の法律上において国籍だからです。

 従って蓮舫は日台の二重国籍だとすること自体が困難だったのです。 本来騒ぎにしなくてもいいことを問題化して、大騒ぎになったということですね。 今でも蓮舫の二重国籍を云々する人がいるようですが、もういい加減にやめるべきでしょう。

 大坂なおみの話が、蓮舫の話になってしまいました。

【拙稿参照】

私の国籍研究史(1)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/30/8630904

私の国籍研究史(2)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/08/03/8638755

私の国籍研究史(3) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/08/07/8641528

私の国籍研究史(4) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/08/11/8644295

私の国籍研究史(5)http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/08/15/8646853

私の国籍研究史(6)http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/08/19/8650171

私の国籍研究史(7)http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/08/23/8654056

私の国籍研究史(8)http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/08/27/8658841

国籍を考える―新井将敬 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/27/8628332

国籍を考える―アルベルト・フジモリ http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/25/8626981

国籍を考える―小野田 紀美の場合 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/23/8625722

国籍を考える―ケンブリッジ飛鳥の場合  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/21/8624643

外国籍が輝いて見えた時代があった  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/19/8623371

蓮舫二重国籍問題のまとめ (再掲)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/15/8620565

蓮舫二重国籍問題    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/14/8620041

蓮舫の二重国籍疑惑   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/09/09/8176022

蓮舫の過去の「国籍発言」 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/09/16/8190975

蓮舫は国籍選択宣言をしていないのでは? http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/10/07/8216765

蓮舫はもともと二重国籍でなかったのでは?http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/10/16/8230218

二重国籍は複雑で難しい         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/10/20/8232627

私が二重国籍に関心を持った訳      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/10/28/8237467

二重国籍には様々な姿がある       http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/10/29/8237969

蓮舫二重国籍問題のまとめ        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/11/03/8241041

二重国籍かどうか微妙な場合       http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/11/13/8247093

日韓関係はどうなる?2019/02/25

 激しくなる日韓関係の対立について、去る1月13日付けの拙ブログで http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/01/13/9024435

日韓の対立は国民感情にも深まってきているようですね。 日本における韓流ブームや韓国への観光客数が今後どう変化するのか、注目するところです。

と論じました。 それから1ヶ月が経ち、その結論が出つつあるようです。 レコードチャイナによると、次のように報告されています。

https://www.recordchina.co.jp/b689424-s0-c30-d0058.html

観光庁によると、1月に日本を訪れた外国人観光客は昨年同期比7.5%増の268万9400人で過去最高を記録した。 国籍別では韓国が77万9400人で最も多かった。昨年同期比は3.0%減少したものの、記事は「哨戒機レーダー問題や慰安婦問題などで日韓関係が冷え切っている中でも、韓国人の日本旅行人気が相変わらず高いことを証明している」と説明している。

日韓両国の対立は訪韓日本人観光客にも大した影響を与えていないとみられる。先月1~20日のロッテ免税店明洞店の日本人対象の売り上げは昨年同期比31%増加、新世界免税店の明洞店も53%増加したという。

 国民レベルでは日韓の対立はそれほどでもなく、むしろ交流が活発化しているのですねえ。 日韓関係は政治・外交の世界はもちろんのこと、どちらの国民も相手に対して厳しい感情をぶつけるほどに深刻化すると思っていたのですが‥‥。 予想が外れました。

 とすると日韓の厳しい対立は政治・外交人士と国民の一部でしかない過激な嫌韓・反日の人たちがやり合っているだけで、どちらの国民も多数が、そんなことは知ったことではないとばかりに交流しているということです。

 興味深い現象です。 これからの日韓関係はどうなるのでしょうか? 日本では嫌韓と韓流、韓国では反日と日流、両国内の対立する二つの動きが拡大するのか縮小するのか。 あるいは日本の韓流と韓国の日流の潮流が、日韓対立を和らげるのかどうか。 なかなか先が読めませんね。

【拙稿参照】

韓国の和食ブーム―もう一つの韓国の姿 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/11/30/9005079

文喜相議長の天皇戦犯・謝罪要求発言 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/02/14/9035898

韓国の対日感情は理解が難しい http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/03/29/8813934

韓国人のアンビバレントな感情 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/10/01/8690297

韓国の反日感情はいつ形成された? http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/10/08/8698008

世界で唯一日本を見下す韓国人   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/10/06/8216253

日本を見下す韓国(2)   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/12/22/8285733

韓国人の対日感情      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/01/12/8317218

日韓交流は相互理解に役立ってきたか?http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/12/13/8747383